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ブレンドコーヒーってどんなコーヒー?アメリカンとは何が違う?
ブレンドコーヒーを飲んだことはあっても、どんなものかは説明できない…という人も多いのではないでしょうか。本記事ではブレンドコーヒーにまつわる疑問を徹底解説。記事の後半では自分でブレンドにチャレンジする方法もご紹介します。
今すぐブレンドコーヒーを作ってみたい方は、こちらから直接記事の後半にジャンプできます。
ブレンドコーヒーとはどういうコーヒーのこと?

ブレンドコーヒーとは、2種類以上のコーヒー豆を混ぜ合わせたコーヒーのことです。ブレンドされた豆それぞれが持つ個性的な風味や香りなどを組み合わせることで、単一の豆からできたストレートコーヒーでは味わえない複雑でバランスの取れた風味を生み出すことができます。
ストレートコーヒーとブレンドコーヒーの違い
ストレートコーヒーは、単一種類のコーヒー豆のみを使って淹れたコーヒーです。コーヒー豆が持つ本来の味わいや個性を楽しむことができます。たとえば、酸味の強いコーヒー豆であったり、華やかな香りが感じられるコーヒーなど、各要素が際立って感じられることが多いです。なお「シングル」と呼ばれることもあります。
一方ブレンドコーヒーは複数の豆を組み合わせることで特定の味わいを意図的に作り出すことができます。
例えば、酸味が強い豆とコク深い豆を合わせることで全体の味わいに厚みをもたせるなど、バランスの取れた品質のコーヒーを生み出すことを得意とします。
アメリカンコーヒーとブレンドコーヒーはどう違う?
喫茶店などでよく見かける「ブレンド」と「アメリカン」。実はこのふたつとも、日本で生まれた和製英語です。
厳密な定義はありませんが、アメリカンコーヒーは浅炒り豆を使ったすっきりとした味わいのコーヒーを指すことが多いです。飲みやすくするために、ブレンドコーヒーを少々のお湯で割って作ることもあります。そのためブレンドコーヒーよりも苦みを感じにくく、あっさりとした味わいになります。喫茶店でどちらにすべきか迷ったら、コーヒーらしいコクやしっかりした味わいを求めるなら「ブレンドコーヒー」、グビグビと軽やかに楽しみたい場合は「アメリカンコーヒー」を選ぶと良いかもしれません。
コーヒー豆のブレンド方法は2種類「単品焙煎」と「混合焙煎」

コーヒー豆をブレンドする方法には、次の2種類があります。
- 単品焙煎(アフターミックス)
- 混合焙煎(プレミックス)
単品焙煎(アフターミックス)
コーヒー豆の焙煎を行った後にブレンドする方法です。産地や銘柄ごとに最適な焙煎を行った上でブレンドされるため、それぞれの豆が持つ持ち味を最大限に引き出すことができます。
豆ごとに焙煎を行う必要があるため手間や時間がかかりますが、焙煎士やブレンダーの強いこだわりや、ブレンドコーヒーの奥深さを感じることができます。
混合焙煎(プレミックス)
生豆の状態でブレンドし、一緒に焙煎する方法です。焙煎が一度で済むため手間がかからず、大量生産に向いています。
豆の焙煎度が均一になることから、単品焙煎と比較すると味わいが単調になりやすい面があります。
コーヒー豆をブレンドする目的とは?

市販のコーヒーを見てみると、その多くは「ブレンドコーヒー」です。なぜわざわざ複数種類の豆を組み合わせる「ブレンド」が行われるのでしょうか?
コーヒー豆をブレンドするのには、主に次の2つの目的があります。
- 新しい味を生み出す・個性の表現
- 品質や価格を均一化
新しい味を生み出す・個性の表現
ブレンドには無限の組み合わせがあり、試行錯誤を重ねることで今までにない新しい味わいを生むことができます。
さっぱりした味わいを強調させたり、豊かなコクと華やかな香りを組み合わせたり…ブレンダーのアイデアや感性によって、味わいの選択肢は幾重にも広がります。こだわりのブレンドコーヒーは、その店や製品の「個性」を表現できるのです。
品質や価格を均一化
コーヒーのブレンドは、個性を生かすだけでなく短所をカバーして味や品質を均一化させる働きも。コーヒー豆はその年の天候や畑によっても品質にバラつきが出ることがあるため、ブレンドすることでいつもと変わらない味わいに調整できます。またブレンドには、品質だけでなく価格を均一化させる目的もあります。コーヒー豆は仕入れ価格が変動することがあるため、いくつかの豆を組み合わせることで安定した価格で提供することが可能になります。
コーヒーブレンドの黄金比を知ろう

ブレンドコーヒーには「黄金比」と呼ばれる豆の組み合わせ方が何種類か存在します。よく使用される比率は以下の2パターンです。
- 4:3:2:1
- 3:3:2:2(または6:2:2)
豆の個性を考えながら上記の比率に合わせてブレンドするとバランスの取れた味わいになりやすく、多くのコーヒーショップや製品などで使用されています。
黄金比に沿った具体的なブレンドパターンも紹介します。以下の4パターンは、味わいのタイプ別の黄金比の例です。
▼黄金比を使った定番ブレンド4種類
味わいのタイプ | 豆の種類・比率 | |||
バランス | コロンビア4 | ブラジル3 | モカ2 | ロブスタ1 |
酸味が強い | コロンビア3 | ブラジル3 | モカ2 | グァテマラ2 |
コク深い | コロンビア4 | ブラジル2 | マンデリン2 | グァテマラ2 |
苦みが強い | コロンビア3 | ブラジル3 | キリマンジャロ2 | ロブスタ2 |
おいしいブレンドコーヒーを選ぶためのポイント

たくさんの種類があるブレンドコーヒーの中から、自分好みのおいしいブレンドコーヒーを選ぶためのポイントを紹介します。
1.好みの味わいが表示されたものを選ぶ
ほとんどのブレンドコーヒーは、「特定の味わい」を目指して作られています。例えば「モーニングブレンド:バランスよくさっぱりした味わい」や、「ストロングブレンド:酸味が少なく苦みが強め」などがあります。ブレンドコーヒーのフレーバーや豆に関する情報は、製品パッケージやカフェのメニューなどから確認できます。具体的には以下の情報が記載されていることが多いので、購入前にチェックしてみてください。
- 酸味・苦み・コクの強弱
- どのような味わい・香りがするか(甘いコクのあるローストナッツのような香り など)
- 焙煎度(浅炒り・深炒り など)
- コーヒー豆の生産国
焙煎度や産地による味わいの違いについては以下の記事を参考にしてください。
2.豆を買う場合は鮮度の高いものを
コーヒー豆は焙煎直後から鮮度が落ち始めます。ブレンドコーヒーの「豆」や「粉」を購入する際は賞味期限を確認し、できる限り鮮度の高いものを選びましょう。なお製品にもよりますが、コーヒー豆の賞味期限は「製造日から12ヶ月」に設定されているものが多いです。
また、パッケージを開封すると急激に鮮度が落ちていき、味わいにもマイナスの変化が出てしまいます。開封後は「粉のブレンドコーヒーのなら10日以内」、「豆のブレンドコーヒーなら30日以内」に飲み切るようにしましょう。飲みきれない分は、一杯ずつ小分けにして冷凍庫に保管すると鮮度の低下を遅らせることができます。
3.複数のブレンドが楽しめる製品を試してみる
自分の好みがわからない、どんなブレンドコーヒーを選べばいいか迷ってしまう。そんな場合はコーヒー豆の大袋ではなく、様々なブレンドコーヒーが入ったセットを試してみてはいかがでしょうか。実際に味わいを比べることで、自分の好みを見つけやすくなりますよ。

画像引用:上島珈琲店 ワンドリップコーヒー 5種セット | UCC公式オンラインストア
上島珈琲店の創業から続く飽くなきこだわりを表現した「上島珈琲店ブレンド」や、深炒りでコーヒーの魅力を引き出した「W cracking Deep」など、個性の豊かな5つのブレンドコーヒーが楽しめるセットです。
ワンドリップタイプなので、熱湯さえ用意すれば手軽に本格的なブレンドコーヒーが楽しめます。
カプセルタイプのおすすめ製品「ドリップポッド」の専用カプセルシリーズ

画像引用:専用カプセル | ソロフレッシュコーヒーシステム株式会社
カプセル式コーヒーシステム「ドリップポッド」のコーヒーラインナップは、多彩な産地それぞれの特徴が引き立つようにブレンドされています。ブレンドコーヒーならではの奥深さと、際立つ産地の個性が感じられます。
産地の個性が感じられるブレンドコーヒーを楽しみたいなら、以下のカプセルがおすすめです。
オリジナルブレンドにチャレンジ!ブレンドコーヒーの作り方

自分だけの特別なオリジナルブレンドコーヒーを楽しんでみませんか?ブレンドのコツを押さえれば、自分の好みを反映させたマイブレンドを作れます。初めてでも失敗なくできる方法を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
1.いつどんな場面で飲みたいか考える
最初に、どんな味わいのコーヒーにしたいのかをできる限り具体的に考えていきます。以下のポイントで、飲むシチュエーションのイメージを膨らませてみましょう
- いつ飲みたいか(朝、仕事中、午後の眠気覚ましのために など)
- どんな食べ物と一緒に楽しみたいか(朝食といっしょに、ケーキといっしょに など)
例えば「朝起きてすぐ、トーストといっしょに飲むコーヒー」であれば、爽やかな酸味のあるバランスの取れた味にしよう、などと考えることができますね。
このように、飲むシチュエーションや合わせる食べ物、コーヒーを飲む目的を詳しく想像することで目指す味わいが明確になり、ブレンドする豆が選びやすくなります。
2.ベースの豆を選ぶ
ベースになるコーヒー豆を決めていきます。ブレンドのベースに使用されることの多いコーヒー豆とその特徴は以下のとおりです。
ベースにおすすめのコーヒー豆 | 味わいのタイプ |
ブラジル | 香ばしく、バランスのとれた味わい |
コロンビア | まろやかで濃厚なコク |
マンデリン | 果実感と豊かなコク |
モカ | 爽やかでさっぱりとした酸味 |
3.風味やコクを調整するための豆を選ぶ
コーヒーの風味に特徴をつけるための豆を選びます。例えば、ベースのコーヒーにコクを加えたければ「コロンビア」、キレのある飲み心地にしたければ「タンザニア」、華やかな香りを加えたければ「グァテマラ」などの選択肢があります。
ベースに選んだ豆との相性も考えつつ、1.で考えたコーヒーのイメージを思い浮かべながら必要な豆をチョイスしましょう。
4.配合比率を調整する
ブレンドコーヒーに用いられる黄金比率などを参考にしながら、豆を配合していきます。ベースのコーヒー豆が一番多くなるように設定し、味わいを調整していきましょう。
初心者は「5(ベース):3(コクやボディを調整する豆):2(香りや風味のアクセントにする豆)」の比率を意識すると失敗しにくくなります。
コーヒー豆の構成については、「コーヒーブレンドの黄金比を知ろう」で紹介した定番ブレンドを基本にして、少しずつ調整を加えていくと失敗を避けやすくなります。
ブレンドする際の注意点やポイント
コーヒー豆にはたくさんの銘柄があり、焙煎度も様々。細かく考え出すとどうしたらよいかわからずに途方にくれてしまうこともあるでしょう。そのためまずは2、3種類のブレンドから始め、徐々にブレンドする豆の種類を増やしていくのがおすすめです。
なお、あまりにもブレンドする豆を増やしすぎると味がボケて特徴のないコーヒーになってしまいます。多くても5種類程度にとどめておきましょう。
また、試したブレンドはきちんと「記録する」のがブレンド成功への近道。ブレンドは試行錯誤の作業です。自分の求める味わいができるまで、粘り強くチャレンジしてみてくださいね。
まとめ|ブレンドコーヒーの可能性は無限!奥深い味わいを楽しもう
ブレンドコーヒーは複数の豆を組み合わせることで、単一の豆にはない複雑でバランスの取れた風味を味わえます。定番の黄金比を参考に、自分だけのオリジナルブレンドに挑戦してみるのも楽しいですよ。
ブレンドの奥深い魅力を知り、ぜひあなたも特別な一杯を見つけてみてください。