コーヒーの保存方法完全版!豆・粉の鮮度を保つ容器や場所など徹底解説

コーヒーの袋を開けたけど、この後どうやって保存すればいいの?とお悩みの方へ。この記事では、コーヒー豆や粉の鮮度を保つための正しい保存方法をわかりやすく解説します。

「開封した場合の保存方法は?」「できる限り長く保存するには?」といった疑問に、お持ちのコーヒーの状態や普段の飲むペースにあわせてお答えしますので、ぜひ参考にしてくださいね。

未開封のコーヒーの保存方法を先に知りたい場合はこちらからジャンプしてください。

開封したコーヒー粉・豆の保存方法

まずはコーヒーを美味しく保存するための基本を押さえておきましょう。コーヒーの鮮度を奪う5つの要素は次のとおりです。

  • ⚫︎湿気
  • ⚫︎光(直射日光)
  • ⚫︎熱や気温差
  • ⚫︎酸素(空気との接触)
  • ⚫︎他の食品からのニオイ移り

これらの大敵からコーヒーを守ることが、美味しさを長持ちさせるカギになります。袋を開封したコーヒー豆や粉はこれらの影響を受けやすく急速に風味の劣化が進んでしまうため、次の3ステップで正しく保存しましょう。

ステップ1:袋の空気をできる限り抜いてから、クリップやテープなどで袋の口を固く閉めるステップ2:コーヒーの袋ごと密閉性と遮光性の高い容器に入れる
ステップ3:直射日光の当たらない冷暗所で保存する

「密閉性と遮光性の高い容器」は、コーヒー専用のキャニスターがベストですが、なければ蓋付きの不透明な密閉容器などでも代用できます。

また保存場所に適した冷暗所は、どのくらいの期間でコーヒーを飲み切るかによって「常温」「冷蔵庫」「冷凍庫」のどれが合うかが変わります。以下の基準を参考に、飲むペースを考慮して保存場所を選んでみましょう。

飲み切るまでの期間(目安)適した保存場所
2週間以内常温(冷暗所)
2週間~1ヶ月以内冷蔵庫
1ヶ月以上かけて冷凍庫

ここからは、「常温」「冷蔵庫」「冷凍庫」それぞれの保存のポイントと注意点について詳しく解説します。

常温でコーヒーを保存するときのポイント

1袋のコーヒーを2週間ほどで飲み切れるなら、温度変化の少ない常温保存がベストです。

例えば150g入りのコーヒーはおよそ10~15杯分※なので、家族全員でコーヒーを飲むご家庭や、毎日数杯のコーヒーを飲む方であれば常温保存で美味しく飲みきれるでしょう。

常温でコーヒーを保存する場合は、必ず直射日光の当たらない涼しい場所(冷暗所)を選んでください。キッチンの収納棚や日陰になっている部屋の戸棚の中などがおすすめです。

※コーヒーカップ1杯(120~150ml)に、豆・粉を10g~12g使う場合の計算です。

冷蔵庫でコーヒーを保存するときのポイント

2週間~1ヶ月くらいでコーヒーを飲み切る場合は、冷蔵庫での保存がおすすめです。

低温に保たれ光が遮られる冷蔵庫はコーヒーの保存に適した場所ですが、他の食品からのニオイ移りには注意が必要です。キャニスターなどの密閉容器に入れたまま庫内に保存することで、ニオイ移りや温度変化からコーヒーの劣化を守ることができます。

冷凍庫でコーヒーを保存するときのポイント

1ヶ月以上かけてゆっくりと飲み切る場合は、冷凍庫で長期間保存しましょう。ただし冷凍庫保存で美味しさを保つには、いくつかの注意点があります。

  • ⚫︎ジッパー付き保存袋に移し替え、空気をしっかり抜いてから保存する
  • ⚫︎頻繁な出し入れは避ける
  • ⚫︎使う分だけを取り出せるよう、1杯分(約10g)ずつ小分けにして冷凍するのが最もおすすめ

冷凍庫のコーヒーを常温に出すと気温差から袋の内側に結露が発生し、水気によって劣化を早めてしまう原因に。冷凍庫からの出し入れを頻繁に繰り返すのはかえって風味を損なうため、使う分だけをさっと取り出し残りはすぐにしまうのが上手な保存のコツです。

未開封のコーヒーは常温で保存してOKです。直射日光が当たったり高温多湿になる場所は避けて、パッケージに記載されている賞味期限内に飲み切るようにしましょう。

スーパーなどで売られている市販のコーヒー袋の多くは、鮮度を保つための工夫がされています。

  • ⚫︎酸化防止のための窒素ガスが充填されている
  • ⚫︎袋の破裂を防ぎつつ、外気の侵入を防ぐガス抜きバルブが付いている
  • ⚫︎光を通さないように、内側がアルミ加工されている

ただし、個人のコーヒーショップや海外などで購入したコーヒーは、酸化防止機能のないシンプルな紙袋に入っているケースも多く見られます。もしシンプルな紙袋に入ったコーヒーをお持ちの場合は、未開封でも袋ごと密閉容器に入れて保存するのが安心です。

コーヒーの賞味期限はどのくらい?おいしく楽しめる期限の目安

コーヒーをおいしく楽しめる期間の目安は、豆か粉か、開封済みかによって変わります。

▼コーヒーの種類別賞味期限

コーヒーの種類未開封開封済み
3ヶ月~1年1ヶ月
1ヶ月~6ヶ月2週間

粉の状態のコーヒーは、豆よりも空気に触れる面積が大きいため、酸化が進みやすく、賞味期限が短くなります。特に開封後はどんどん風味が落ちていくので、できるだけ早く飲み切るのが一番です。

なおコーヒーの賞味期限は「焙煎日」や「袋詰めされた日」などによっても変わるため、製品によって大きく差があります。購入時はパッケージに記載の期限を確認し、飲みきれる分だけを買うのがおすすめです。

コーヒーの保存方法に関するQ&A|お悩み別に保存方法をアドバイス!

ここでは、コーヒーの保存に関する具体的なお悩みに答えていきます。

Q1.普段あまりコーヒーを飲まないので、できるだけ長く保存したい

A1.1杯分(約10g)ずつ小分けにして、冷凍庫で保存しましょう。コーヒーを購入した直後に小分けにしてジップロックに入れ、そのまま冷凍庫に保存することで風味の劣化を大幅に遅らせることができます。なお、飲む際には冷凍庫から取り出したコーヒーを解凍する必要はありません。いつもよりやや熱めのお湯を用意して、そのままドリップして楽しみましょう。

Q2.コーヒー専用のキャニスターを持っていないので、別のもので代用できないか?

A2.「密閉性」と「遮光性」に優れた容器であれば、必ずしもキャニスターを使う必要はありません。例えば、ご家庭によくある以下のものでも代用できます。

  • ⚫︎紅茶やお茶、海苔の缶
  • ⚫︎お菓子が入っていた缶
  • ⚫︎ステンレスの魔法瓶
  • ⚫︎不透明のタッパー など

元の食品のニオイが移らないよう、よく洗って完全に乾かしてから使ってくださいね。

Q3.100円均一のグッズでもコーヒーを美味しく保存できる?

A3.はい、できます。100円均一のショップでも、様々なタイプのコーヒーキャニスターが販売されています。蓋にパッキンや弁がついた密閉性の高いキャニスターもあるため、ローコストで保存容器を揃えることができますよ。

ただし、100円均一のキャニスターはプラスチック製やガラス製といった透明な素材の製品が多いので、直射日光が当たる場所には保存しないように気をつけましょう。

その他、100円均一のグッズの中では「小型のタッパー(保存容器)」を使ったコーヒー保存もおすすめです。1杯分に小分けして保存する際に役立つうえ、洗って繰り返し使えるため経済的。ただしプラスチック素材はニオイが移りやすいため、お気に入りの銘柄やスペシャルティコーヒーの保存は控えたほうが安心です。

コーヒーの保存に最適な「コーヒーキャニスター」の選び方

コーヒーを美味しく保存するために便利な保存容器「コーヒーキャニスター」は、キッチン用品店やホームセンター、一部のコーヒーショップなどで購入することができます。コーヒー豆や粉を今後も継続的に買って楽しむ場合には、いくつか持っておいて損はありません。

次の2つの手順で、自分のコーヒーライフにぴったりなキャニスターを選びましょう。

  • 1.飲む頻度に合わせて容量を決める
  • 2.機能やデザインで素材を選ぶ

一人で楽しむなら200g~300g程度の容量のものが最適。家族みんなで毎日飲むなら500g程度の容量が目安です。容量を決めたら、次は素材を選びましょう。

素材メリットデメリット
ガラス・ニオイ移りしにくい・中身の残量が一目でわかる
・デザイン性が高い
・比較的安価
・遮光性が低い
・割れやすい
・急な温度変化に弱い
プラスチック・軽くて扱いやすい
・割れにくい
・安価で手に入れやすい
・ニオイ移りしやすい
・細かい傷がつきやすく、劣化しやすい
・遮光性が低い(UVカット加工されているものもある)
陶器・遮光性が高い
・ニオイ移りしにくい
・密閉性が高い
・デザイン性が高く、おしゃれ
・重くて割れやすい
・中身が見えない
・価格が比較的高め
ホーロー・遮光性が高い
・ニオイ移りしにくい
・酸や塩分に強く、劣化しにくい
・デザイン性が高く、おしゃれ
・表面のガラス質が欠けるとサビの原因になる
・衝撃に弱い
・価格が比較的高め
ステンレス・遮光性が高い
・傷がつきにくく、耐久性が高い
・ニオイ移りしにくい
・スタイリッシュでおしゃれ
・熱伝導率が高く、置き場所によっては中の温度が上がりやすい
・価格が比較的高め
木製・デザイン性が高く、ナチュラルな印象
・遮光性が高い
・(種類によっては)調湿効果が期待できる
・ニオイ移りしやすい(木の香りが豆に移ることも)
・密閉性が低いものが多い
・水洗いに不向きなものが多い
・高額なものが多い

▼機能性もデザイン性も重視するなら

陶器、ホーロー、ステンレスがおすすめです。

いずれも遮光性と密閉性の高さに優れた製品が多く、デザイン性も優れています。お気に入りのコーヒーをおしゃれに保存したい場合におすすめの選択肢です。

▼「見せる収納」のように使うなら

ガラス、陶器、木製がおすすめです。

ガラスはどんなインテリアにも合う万能デザインが魅力。陶器や木製は、温かみのあるナチュラルな印象です。ただしガラス製は光を通すため、置き場所には注意しましょう。

▼容器のまま冷蔵・冷凍保存したい場合のおすすめ

ステンレス、ホーロー、(冷蔵・冷凍に対応した)プラスチック

ステンレスとホーローはニオイ移りにも強いため、冷蔵庫や冷凍庫で長期間保存したい場合にもぴったりな選択肢です。プラスチック製品はニオイが染みつきやすいため、大量に買ったデイリーコーヒーを保存する時などに活用すると良いでしょう。

鮮度の高いコーヒー豆の選び方

コーヒーを美味しく長期保存するなら、買う時点から新鮮なコーヒーを選ぶことも大切です。今後のコーヒー選びに役立ててみてくださいね。

新鮮なコーヒーを選ぶときに最も重要なのが「焙煎日」を確認すること。コーヒー豆は焙煎直後から風味の劣化が始まるため、できる限り焙煎日が新しいものを選ぶようにしましょう。信頼できるコーヒー専門店では、焙煎日を明記していることが多いのでチェックしてみてくださいね。

焙煎日が記載されていない場合、コーヒー専門店なら直接店員さんに尋ねるのが確実です。スーパーなどに置いてあるコーヒーを選ぶ場合は、できる限り賞味期限が遠い製品を選んでみましょう。

オフィスや外出先で保存方法を気にせずにコーヒーを楽しむには?

オフィスなど、豆や粉から丁寧に淹れるのが難しい環境では、鮮度と手軽さを両立できる「ワンドリップ」や「カプセル式」といった個包装タイプのコーヒーが便利です。

ワンドリップは1杯分が個包装されているため、常温保存でも鮮度が長持ちします。熱湯を使える環境であれば、比較的低コストで毎回新鮮なドリップコーヒーを淹れられるのが利点です。

カプセル式コーヒーは専用マシンが必要ですが、1杯分ずつ完全に密閉(窒素充填されているものが多い)されているため、酸化の心配がほとんどなくいつでも淹れたての味を手軽に再現できます。

例えばカプセル式コーヒーシステムのドリップポッドの専用カプセルは、常温で1年近く保存が可能です。設置するだけで誰でも新鮮なコーヒーが楽しめるようになるため、オフィスコーヒーの運用にもピッタリです。

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まとめ|正しい保存方法で、コーヒータイムをもっと豊かに

最後に、コーヒーを正しく保存するポイントをまとめます。

  • ⚫︎コーヒーの風味を損なう原因は「湿気・光・熱・酸素・ニオイ」
  • ⚫︎開封後は「袋の空気を抜き、密閉容器に入れて、直射日光の当たらない涼しい場所に保存」が基本
  • ⚫︎飲むペースに合わせて保存場所を選ぶ(2週間なら常温、1ヶ月なら冷蔵、それ以上なら冷凍)

このポイントを踏まえてコーヒーを保存すれば、新鮮なコーヒーの美味しさがいつもよりぐんと長く続くはず。ぜひ、あなたのおうちのコーヒーで今すぐ試してみてくださいね。

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