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Photo / Masayuki Ichinose
Edit & Text / Akio Mitomi
夏恒例のイベント #バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」が2026年7月10日~8月2日の24日間、東京・原宿で期間限定オープン。「夏のコーヒーにも、おいしい個性。」をテーマに、連続4年目の開催となった今年は過去最多・全46種類のアイスコーヒーを提供、延べ8,600人以上の過去最高来店者数を記録した。
今回のテーマ「夏のコーヒーにも、おいしい個性。」は、2026年5月に実施された「アイスコーヒーに関する飲用調査」の結果から導かれた。初年度から #バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」を企画立案してきた、UCCグループ ソロフレッシュコーヒーシステム(株) 事業開発部 ドリップポッドブランドディレクター 西川満美子が、4回目を迎えた今年の開催意図を語った。
「調査の結果、夏場に週1回以上アイスコーヒーを飲む人は86.2%に達し、麦茶や緑茶を抑えて1位となるほど親しまれていることが分かりました。しかし、その飲み方の84%が『ブラック』『ミルク』『砂糖』に限られており、ホットコーヒーに比べて『香り』や『豆の種類・産地の選択肢』への満足度が著しく低いという実態も浮き彫りになったのです。消費者は『手軽さ』と引き換えに、コーヒー本来の楽しさを諦めてしまっているのではないか。その課題を解決し、もっと自由に、本格的な一杯を届けることが今回の最大の狙いです」(西川)


例年通り、表参道近くのイベント会場に設えられたのは、シックな内装のロースタリーをイメージした空間。入ってすぐのカウンターにはベースとなるドリップポッドのコーヒー粉12種類が用意され、調査で満足度が低かった「香り」にフォーカスし、豆本来の香りを体験した上で好みのコーヒーを選べる工夫がなされた。さらに、「今の気分」に答えるだけで、全46種類からぴったりの一杯を提案する診断チャートも用意。コーヒーの知識がなくても好みの一杯に「出会う楽しさ」を体感できる仕組みだ。
「昨年までは『先入観なくコーヒーを味わっていただきたい』という思いからカプセルを伏せてきましたが、今年は一歩踏み込み、最初にカプセルを手に取っていただく構成にしました。プロの技を再現するドリップポッドだからこそ、これほど多彩な香りと味わいが生まれる。その『ひみつ』に納得感を持っていただきたかったのです」(西川)


合計15種類の中から目当てのコーヒーを選んだら、引き出しからドリップポッドのカプセルをピックアップ。それぞれのアイスコーヒーの風味をイメージしたディスプレーと共に、選ぶ楽しさを演出した。


例年、オーダー段階ではコーヒーの「ひみつ」を伏せてきたが、今年はあえてカプセルを手にしてもらうことで、ドリップポッドの存在をアピールする初めての試みとなった。
「香りを確かめる、今の気分で選ぶ、カプセルを手に取る、アレンジやブラックから飲み方を選ぶという一連の体験を提供することで、アイスコーヒーはもっと自由に楽しめるということを、お伝えしたいと考えました。」(西川)

支払いを済ませ、カプセルと選んだアレンジのチップをオーダー窓口に入れると、準備がスタート。数分で、オーダーしたコーヒーとコーヒーカードが回転台に乗って登場する仕組み。写真はハワイコナブレンドを使ったソーダアレンジの「コーヒーアップルソーダ」だ。アレンジは6通りあり、提供価格は「ブラック」90円、「ソーダ」「ミルク」「フルーツ」「フレーバー」各200円、「ヨーグルト」「コーヒーフルーツポンチ」各300円とした。


イートインの利用者は、オーダー口左側のアーチをくぐってイートインスペースへ。こちらもロースタリー併設のカフェのような雰囲気でインテリアがまとめられた。
ドリップポッドのひみつが明らかに

イートインスペースでは選んだアイスコーヒーを飲みながら、手元ではコーヒーカードで各カプセルのフレーバーやアレンジドリンクの味わいを確認。写真の「コーヒーアップルソーダ」は、アップルタイザーとドライレモン、ローズマリーを組み合わせた清涼感のある味わいと紹介されており、「飲む」「読む」のふたつの体験により各種コーヒーへの理解が深まるよう工夫されていた。


またイートインスペース内には、ドリップポッドのカプセルで作ったタワーや、「DRIP POD YOUBI」が展示され、希望者は気になるカプセルをホットで試飲することも可能に。#バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」で提供されたコーヒーの全貌が、ここで明かされることになった。
「今年は、カプセル式コーヒーの本格的なおいしさに驚いていただきたいという狙いから、タワーのカプセルに触れていただくことで、ドリップポッドの印象を残したいという思いで体験を設計しました」(西川)
イベントで提供されたコーヒーは、日本や世界の抽出競技会で活躍するUCCグループのコーヒーのスペシャリストが作った抽出レシピ「プロレシピ」で抽出*。さらに急冷方式を用いて淹れたての香り豊かなアイスコーヒーがブラック、ソーダ、ミルクなどさまざまなバリエーションで提供された。同じカプセルででも抽出方法を変えることで、異なるコーヒーの表情を、専門的な技術がなくても再現できるのがドリップポッドならではの強み。イベントのメニューはすべて、「ひみつのドリップ」特設サイトに公開されているレシピで、家庭でも再現することが可能だ。
*46種類中、1種類のみ通常のマシンモードにて抽出
「イベントに来られなくてもドリップポッドがあれば、自宅でも同様にアレンジやさまざまな淹れ方でアイスコーヒーを楽しむことが簡単にできると考えたため、今回、特設サイトでレシピを公開しました」(西川)
会期中に会場を訪れた客層は、SNSやオンラインメディアでイベントを知り来店する人、仕事で近所を訪れて通りがかった人などさまざまだった。中には、毎年イベントに訪れる熱心なリピーターも。
「グァテマラに友人がいるので今日も『グァテマラ&コロンビア』をブラックでいただきました。同じブレンドでも、『DRIP POD YOUBI』で淹れたコーヒーは格段においしいと思います」(40歳代男性)
飲み慣れた産地のコーヒーでも、ドリップポッドで淹れた本格的な一杯のおいしさを、確実に感じ取ってくれた。一方、1度にオーダーできる2種類のアイスコーヒーを選んだのは、コーヒー好きのエステティシャン2人組。初めて見るアレンジの数々に興味津々で、4種類のおいしさを互いに交換し合っていた。
「クッキーを使った『メープルアーモンドミルクコーヒー』はパフェのようで、後からコーヒーの風味が追いかけてくる『コーヒーレモンスカッシュ』とあわせて飲むのにぴったりでした」(30歳代女性)
「コーヒーとヨーグルトの組み合わせが新鮮な『バナナヨーグルト』でしたが、夏の暑い時期には飲みやすいですね! 『トロピカルココナッツコーヒー』は苦味が爽やかです」(30歳代女性)
彼女たちはこの後それぞれ、ホットコーヒーも1杯ずつ楽しんでいた。アイスコーヒーの新しいアレンジがきっかけとなり、ドリップポッドのコーヒーに興味をもったという。

さらに7月24日からは、炭焼珈琲とフルーツゼリーを使ったサプライズメニュー「コーヒーフルーツポンチ」が追加され、イベント期間中のリピーターを多く呼び込む話題となった。
ドリップポッドを活用したメニューの広がり
表参道の会場以外でも、アイスコーヒーのバリエーションを提案すべく、ドリップポッドを活用するカフェやフルーツパーラーで、コラボレーションメニューが展開された。
沖縄県の「琉貿果実苑」は、沖縄県産の食材とコーヒーを組み合わせた限定スイーツを提供。
「昨年初めて取り組んだ経験から、もっとおいしいメニューが作れるという手応えがあり、再挑戦したいと思っていました。今回、念願の新メニューを開発することができ、ぜひ多くのお客様に召し上がっていただきたいと、期待が高まっています。今回のコラボレーションメニューはフルーツだけではなく沖縄県産素材との組み合わせにこだわりました。「鑑定士の誇り炭焼珈琲」のスモーキーな香りとコクを生かしながら、県産の黒糖を組み合わせることで、夏らしいすっきりとした味わいのデザートに仕上がりました。コーヒー文化が根付いた沖縄県では、メニューの「コーヒーゼリー」や「ちゅらぺチーノ」に目を止めるお客様が非常に多いです。テイクアウトでも楽しめるドリンクを開発したいという思いがあったのですが、今回開発した「黒糖ショコラちゅらぺチーノ」がまさにぴったりのメニューとなりました。「ちゅらぺチーノ」をお供に街歩きを楽しんでいただきたいです」(琉貿果実苑様)
岡山県では「コムクレープ」岡山問屋町店が昨年に引き続きフルーツコーヒー3種類と、今年はフローズンヨーグルトを使用したアレンジ3種類、アイスコーヒー(ブラック)3種類を提供。
「昨年、コラボレーションメニューのフルーツコーヒーを提供したところ、コーヒー全体の売り上げが向上しました。夏場のメニュー対策としても有効と判断したため、今年も実施。フローズン系の新商品開発により、ドリンクのバリエーションが広がり、夏の売上にどう貢献するかを検証したいと思いました。ドリップポッドとのコラボレーション企画は夏だけでなく、ぜひ通年で行ってほしい」(コムクレープ様)
また広島県でも「Le・Café 白島」が、昨年提供したフルーツコーヒー4種類と、コーヒーや紅茶、ほうじ茶などを使った8種類のバニラオレを提供した。



「夏のコーヒーにも、おいしい個性。」の狙いとは
「2023年から#バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」を開催してきましたが、例えば2025年に提供したフルーツコーヒーや今年のヨーグルトのように、『コーヒーと合わせると一体どんな味わいなのだろう? 全然想像ができない』とおっしゃっていた方が、何回もリピートして飲んでくださったこともありました。ご自分でチャレンジするにはハードルの高いアレンジを、こういったイベントで簡単に体験いただける機会を提供することで、アイスコーヒーの新しい楽しみ方に出会う機会にできているのではないかと感じています。
今年のイベントも、『アイスコーヒーはもっと自由に楽しめるのでは?』という消費者の課題を感じたことからスタートしました。5月28日にリリースした調査結果でも分かったのですが、夏場のアイスコーヒーの飲み方は「ブラック」、「ミルクを入れる」、「砂糖やシロップを入れる」が全体の84%を占めており、アイスコーヒーはホットコーヒーよりも本格的な味わいを手軽に楽しむことができず、アレンジやコーヒーの種類の選択肢も少ないことから、満足度が低い結果になりました。また「香り」や「豆の種類」「産地の選択肢」「焙煎度や味わいのバリエーション」にはまだ楽しみ方を広げる余地があることも見えてきたことを受けて、もっとアイスコーヒーを楽しめる方法をドリップポッドならではの手軽さで、本格的に楽しんでいただける提案をしたいと考えました。
今年も例年の来場者数を上回る反響でイベントを終了することができ、お客様からも「また来年も楽しみにしています!」と嬉しいお言葉を沢山いただきました。今後もドリップポッドのおいしさを多くの方に楽しんでいただけるよう、新たなアイスコーヒーの提案を考えていきたいと思います。#バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」での体験をその場限りのものとせず、ご自宅や飲食店、ホテルなどあらゆるシーンへ『新しいコーヒー体験』を広げていくための挑戦を、これからも続けてまいります」(西川)
今や真夏のイベントとして定着した #バリスタのいないアイスコーヒー専門店「ひみつのドリップ」。来年のさらなる進化にも、注目していきたい。