
目次
コーヒーに含まれるカフェインには体に『よい点』と『注意すべき点』の両方があるため、量や頻度を考えて適切に楽しむことが大切です。
コーヒーのメリットを楽しみながらカフェインとうまく付き合う方法も解説していますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
コーヒー1杯のカフェイン含有量とカフェインの適正量は?

八訂日本食品標準成分表のデータによると、ドリップコーヒー100mlに含まれるカフェインの含有量は60mg※です。またカナダ保健省が提唱している基準によると、健康な成人が1日に摂取してよいカフェインの適正量は400mg程度※だと言われています。
※ コーヒー粉10gを熱湯150mlで抽出した場合※ 参考:カフェインの過剰摂取について:農林水産省
具体的にイメージしやすいように、一般的なカップサイズ[2] でコーヒーを飲んだ場合のカフェイン量と、1日に飲んでいい量の目安をまとめました。ご自身が普段使っているカップサイズと照らし合わせて確認してみてください。
カップの種類別に、コーヒーに含まれるカフェインの量を比較
カップの種類 | 容量の目安 | カフェイン含有量※ | 適正量に抑える場合の目安量 |
---|---|---|---|
コーヒーカップ | 150ml | 90mg | 4杯 |
紙コップ | 200ml | 120mg | 3杯 |
大きめのマグカップ | 300ml | 180mg | 2杯 |
表を見て「普段カフェインを摂りすぎているかも」と感じた方は『カフェインレス(デカフェ)コーヒー』を取り入れるのがおすすめです。
近年はカフェインコントロールの需要が高まっており、市販でもカフェインレスコーヒーの選択肢が増えてきました。カフェインレスコーヒーを生活の中に上手く取り入れることで、コーヒーを楽しみながら上手にカフェインと付き合うことができるようになります。
コーヒーの種類や他の飲み物とカフェイン量を比較
「紅茶」や「緑茶」にもカフェインが含まれていることは有名ですが、その他にもカフェインが含まれる飲料はたくさん存在します。カフェインの摂取量を気にする場合は、他の飲料に含まれるカフェインの量もチェックするようにしましょう。
一般的な飲料に含まれるカフェインの量は、以下の表のとおりです。
飲料に含まれるカフェイン量の比較
飲料 | 100mlあたりのカフェイン含有量 |
---|---|
ドリップコーヒー | 60mg |
インスタントコーヒー(粉末) | 40mg |
カフェインレスコーヒー | ~6mg |
紅茶 | 30mg |
玉露 | 160mg |
緑茶(煎茶) | 20mg |
ほうじ茶 | 20mg |
烏龍茶 | 20mg |
エナジードリンク | 32~300mg※製品によって含有量が異なる |
コーラ | 46mg※1缶355mlあたりの量 |
麦茶・そば茶・ルイボスティー | 0mg |
※参考:カフェインと上手につきあうために
カフェインの量を調節するためにコーヒー以外の飲み物を取り入れる場合は、前述のとおりカフェイン含有量が少ない飲料を選びましょう。
また表で示した通り、コーヒーの中でもインスタントコーヒーとドリップコーヒーではカフェイン含有量が異なります。
さらに言うと、コーヒー豆の品種によってもカフェインの含有量は異なり「ロブスタ種」は「アラビカ種」 の2倍のカフェイン量が含まれています。
少しでもカフェインを減らしたい……という方は、コーヒー豆にもこだわってみるといいかもしれません。コーヒー豆による味わいの違いなどはこちらの記事で詳しく解説しています。
コーヒーのカフェインは体にどんな影響を及ぼす?

次は、コーヒーに含まれるカフェインの具体的な効果や健康への影響について解説します。
「カフェイン」は体に悪いものだと考えられがちですが、適切に付き合うことでその効果効能を上手に取り入れることができます。特に、オフィスワーカーなど、集中とリフレッシュが必要な方々にとって、コーヒーのカフェインはメリットも多い成分です。
コーヒーに含まれる「カフェイン」についてより深く知るために、基本的な仕組みや、メリットとデメリットの詳しい内容を見ていきましょう。
カフェインの基本|持続時間や科学的な作用
カフェインは、コーヒーや茶葉、カカオ豆などに含まれており、アルカロイドと呼ばれる植物由来の天然成分の一種です。植物が昆虫などから自分の身を守るために生成するものだと考えられています。
カフェインには眠気を引き起こすアデノシンという物質の働きを抑えて、脳を覚醒させる効果があります。その効果は摂取後30分ほどで最大になり、その後4~5時間ほど持続すると言われています。
カフェインのよい効果とは?メリットを解説
カフェインには、以下のメリットがあります。
- 脳を覚醒させ、集中力を上げる
- 眠気を覚ます
- 身体パフォーマンスを上げる
- 代謝を上げ脂肪を燃焼しやすくする
- 片頭痛を緩和する
- 倦怠感を抑制する
カフェインの集中効果に関しては数々の論文が発表されており、情報処理能力や注意力、記憶力の向上が示された研究結果が多数あります。オフィスワーカーや長距離ドライバーなど、集中が必要となる人達にとって嬉しい効果ですね。
またカフェインは、肝癌や認知症、パーキンソン病などの予防にも注目されています。健康を維持するためにも、一定のカフェインを摂取することは有効だと考えられています。
カフェインと集中力の関係については、こちらの記事でも詳細を解説していますのでぜひあわせてご覧ください。
コーヒーで仕事の集中力は上がる?効果的な飲み方やおすすめの時間帯
カフェインの取りすぎによる悪影響とは?デメリットを解説
続いては、カフェインの取りすぎがもたらす人体への影響について解説していきます。カフェインを取りすぎることで、以下のデメリットがあります。
- 利尿作用
- 眠りにくくなる
- 吐き気や頭痛が起こる
- イライラしたり落ち着かなくなる
- 胎児の発育を阻害(低体重)する可能性がある
- 短時間で大量に摂取することによって「カフェイン中毒」を引き起こすことがある
カナダ保健省では、18歳以上の健康な大人のカフェインの許容量を400mg前後としています。日常的に許容量を超えて摂取している場合は、上記の症状が起こりやすくなる可能性があります。
なお、短時間で大量にカフェインを摂取することで起こる「カフェイン中毒」になると痙攣や発作などが起こり危険な状態になることもあります。
ただしカフェイン中毒になるカフェインの量は、短時間に1.5リットル以上のコーヒーを飲んだ場合に相当します。1日コーヒーカップ3~4杯を楽しむ程度であれば、そこまで健康への害を心配する必要はありません。
ただしカフェインの許容量や代謝には個人差があるため、自分にとっての適量を見極めることが大切です。カフェインの摂取に特に注意した方がいいケースについては、記事末「未成年や妊娠中・授乳中のカフェイン許容量やコーヒーの適量は?」で解説します。
カフェインを少なくするコーヒーの飲み方はある?
水出しやぬるま湯で抽出することでカフェインの量を減らすことは可能です。ただし美味しいコーヒーの最適な抽出温度は90℃~95℃ですので、ぬるま湯で抽出することで味わいや香りが格段に落ちてしまいます。
なお水出しの方がカフェイン量が減る理由は、カフェインには『熱湯に溶け出しやすい』性質があるためです。ただしカフェインは水溶性なので、水出ししたコーヒーであってもカフェインを完全に除去することはできません。
おいしくカフェインの少ないコーヒーを楽しみたい場合は「カフェインレスコーヒー」を選ぶ方がおすすめです。
適切にコーヒーのカフェインと付き合うには

カフェインと上手に付き合いながらコーヒーを楽しむには、以下3つのポイントを意識してみましょう。
- カフェインの持続時間を考えてコーヒータイムを設定する
- カフェイン量の少ないコーヒーやミネラルウォーターなども同時に摂取する
- 薬やアルコールとの飲み合わせに注意する
ここまでで解説してきた通り、コーヒーに含まれるカフェインには『良い点』と『注意すべき点』があります。そのためカフェインの特性や楽しみ方を知って、摂取量をコントロールしながら付き合っていくことが重要です。
カフェインの持続時間を考えてコーヒータイムを設定する
「カフェインの基本|持続時間や科学的な作用」で解説した通り、カフェインの効果は4~5時間ほど持続すると言われています。そのため、以下の時間でコーヒーを飲めば、カフェインの良い効果を発揮させつつ、デメリットである『眠りにくくなってしまう』ことを避けることができます。
- 朝一番~仕事の開始前に一杯飲む
- 午後一番に一杯飲む
- 睡眠予定時間の4,5時間前以降は飲まないようにする
カフェインの効果が最大化するのは摂取してから30分後ですので、重要な会議が始まる30分前にコーヒーを飲むのもおすすめです。また昼寝の直前に飲むことで、時間差でカフェインの効果が表れてすっきりと目覚めることができます。
カフェイン量の少ないコーヒーやミネラルウォーターなども同時に摂取する
カフェインには利尿作用があるため、体内の水分やミネラルが排出されやすくなります。水分補給には、コーヒー以外の飲料もはさみ、脱水を防いだりミネラルの補給を心がけましょう。
水分補給に適している飲料は、ミネラルウォーターや麦茶などのノンカフェイン飲料や、カフェインの大部分が除去された「カフェインレスコーヒー」などがあります。
カフェインレスコーヒーについてはこちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひあわせてご覧ください。
薬やアルコールとの飲み合わせに注意する
コーヒーを飲むときは、以下のものとの『飲みあわせ』に注意しましょう。
- 風邪薬、精神神経用薬などの医薬品
- アルコール飲料
カフェインは、一部の医薬品を合わせることで副作用が出てしまうものがあります。カフェインとの飲みあわせが悪い医薬品は必ず説明などに記載があるため、そういった薬をコーヒーで飲むことは避けましょう。
また、カフェインの効果とアルコールの効果は打ち消し合うため、コーヒーとお酒を同時に飲むとお酒を飲みすぎることにつながるおそれがあります。
コーヒーに含まれるカフェインの影響には個人差がある

カフェインの影響は個人差が大きいため、個人が適切な量を見極めて楽しむことが重要です。
特に「未成年」や「妊娠中・授乳中」の場合、コーヒーの摂取量を抑えて楽しむ必要があります。
詳しい内容を見ていきましょう。
カフェインの代謝スピードや効き目の違いには個人差がある
コーヒーを飲んでカフェインの効果が表れるまでの時間や、持続時間は人によって異なります。これは、肝臓でカフェインを代謝するスピードが人によって違うからです。
例えばカフェインの持続時間は短い人では2時間、長い人だと8時間ほどかかる場合もあり、大きな幅があることがわかります。
また代謝だけでなく効果の出方にも個人差があり、体がカフェインに慣れている人の方が効き目が弱く、慣れていない人のほうが効き目が強く出る傾向があります。
カフェインの効果が感じられない場合は、普段からカフェインを取りすぎていないか考えてみましょう。カフェインを減らす場合は、普段のコーヒーのうち1杯をカフェインレスに切り替えることから始めるのがおすすめです。
未成年や妊娠中・授乳中のカフェイン許容量やコーヒーの適量は?
未成年や妊娠中・授乳中の人は、カフェインの摂取量を押さえるべきだと言われています。
未成年はカフェインの作用が強く表れすぎるおそれがあり、カナダ保健省では子どものカフェイン摂取量を以下の通り制限するように注意喚起しています。
年齢 | 1日に摂っていいカフェイン量の上限 |
---|---|
4歳~6歳 | 45mg |
7歳~9歳 | 62.5mg |
10歳~12歳 | 85mg |
13歳以上 | 2.5mg×体重(kg) |
また妊娠中・授乳中のカフェイン摂取量は、英国食品基準庁(FSA)で1日200mg、カナダ保健省で1日300mgに抑えるよう呼びかけられています。これは150mlのコーヒーカップで2~3杯程度に相当する量です。
まとめ|カフェインと上手に付き合って至福のコーヒータイムを
コーヒーに含まれるカフェインには様々な作用があり、認知機能の向上や脂肪燃焼効果など様々なメリットが期待できます。
その一方で、取りすぎるとイライラや頭痛吐き気などの原因にもなるため、健康な成人なら1日3~4杯のコーヒーを睡眠に影響のでないタイミングで飲むことが望ましいです。
眠気覚ましや集中力アップに役立つコーヒーはオフィスワーカーの味方ですが、飲み過ぎには注意したいものですね。そこでおすすめなのが、カフェインレス(デカフェ)コーヒーも楽しめるコーヒーマシンをオフィスに導入すること。「DP3000」なら、カフェインレスコーヒーを含めた豊富なカプセルラインアップがあり、プロのハンドドリップをボタンひとつで楽しむことができます。
妊娠中の社員など、多様な人材の職場満足につながるコーヒーマシン。ぜひオフィスへの導入を検討してみてはいかがでしょうか?