グアテマラコーヒーとは|産地の特徴や等級、おすすめ製品

世界中のコーヒーファンに愛されている「グアテマラ」。火山が連なる豊かな自然の中で育ったコーヒーは引き締まった酸味と華やかなアロマを持ち、飲む人を魅了します。

本記事ではグアテマラコーヒーの産地や特徴、おすすめの楽しみ方などを紹介します。

産地を知ってコーヒーを楽しめば、いつもとは違った深い味わいに気付けるかもしれません。ぜひ本記事を最後まで読んで、グアテマラコーヒーの美味しさの秘密を解き明かしてみてください。


グアテマラコーヒーの特徴|フルーティーで酸とコクのバランスが秀逸

グアテマラコーヒーは、フルーティーでフレッシュな酸とナッツのようなコク、花を思わせる甘い香りが特徴です。特に標高の高いエリアで育つコーヒー豆の品質は素晴らしく、豊かな余韻が感じられます。

酸味・甘み・苦み・コク全要素のレベルが高いため、通だけでなくコーヒー初心者でも「おいしい」と思わせてくれるのがグアテマラ。バランスの取れた味わいで、ブレンドのベースとしても使われることが多い万能コーヒーです。

グアテマラ産のコーヒーを飲みたいと思ったら、パッケージの表示ラベルに「グアテマラ(グァテマラ)」と表記されたものを選びましょう。なおグアテマラは「ガテマラ」と表記されることもあります。

グアテマラで高品質なコーヒー豆がとれる3つの理由

高級コーヒー産地として名高いグアテマラ。そこには次の3つの理由があります。

  1. 1.豊かな火山性土壌や標高の高さによる寒暖差など、品質の高いコーヒーが育つ気候風土がある
  2. 2.品質の高い「アラビカ種」が栽培されている
  3. 3.多くの農園が「ウォッシュド精製」で豆を精製しており、クリアな味わいを引き出している

このほか、コーヒーの生産者団体「アナカフェ」による厳格な管理や格付制度も高い品質を維持することにつながっています。


グアテマラってどんな国?コーヒー産地を知ろう

続いては、コーヒー産地グアテマラが一体どのような国なのかに迫ります。

グアテマラ(グアテマラ共和国)は中米の国で、国土は北海道と四国を合わせたくらいの大きさです。北と西はメキシコ、南は太平洋、東はベリーズやホンジュラスといった国々に接しています。

火山や熱帯雨林など豊かな自然が残っており、国土の70%には山岳地帯が広がっています。農業が盛んで、コーヒー栽培は国を支える主要産業のひとつです。海沿いや低地のエリアと、南部に広がる火山地帯のエリアでは気候が大きく異なっており、コーヒーは主に南部の火山地帯で栽培されています。

グアテマラにおけるコーヒー産業の歴史

グアテマラにおけるコーヒー栽培は、18世紀頃にイエズス会の修道士がコーヒーを持ち込んだことから始まったと言われています。

産業として本格的な栽培が始まったのが1860年頃。その後の20年でなんと生産量は200倍ほどに急増し、世界的にも有名なコーヒー生産国としての地位を確立しました。

そして1960年には、コーヒー生産者の組織「アナカフェ」が発足。現在ではコーヒー生産量ランキング10位前後の産出国となっています。

グアテマラの気候や土壌

グアテマラでコーヒーが栽培されているのは、主に南部に広がる標高450m~1,500mほどの高地エリア。3,000m級の火山がいくつも連なる、険しい自然に囲まれた場所です。

山地特有の激しい寒暖差があり、昼と夜の気温差は20度近くになることも。しかしこのメリハリある気温によってコーヒーの実がきゅっと引き締まり、しっかりと酸味を蓄えた上品なコーヒー豆が育ちます。

またミネラルや栄養分がたっぷり含まれた火山性の土壌は、グアテマラコーヒーの複雑な風味や個性的な香りを生み出す源になっています。

グアテマラコーヒーの主要な産地

グアテマラには8箇所の主要コーヒー産地があります。それぞれ異なる気候や土壌特性を持っていて、豆の味わいにも産地の個性が表れます。

  1. 1.アンティグア
  2. 2.ウエウエテナンゴ
  3. 3.アカテナンゴ
  4. 4.アティトラン
  5. 5.コバン
  6. 6.フライハネス
  7. 7.オリエンテ
  8. 8.サンマルコス

上記のうちでグアテマラを代表する名産地は「アンティグア」です。3つの火山に囲まれた特殊な地形のエリアで、ミネラル豊富な土壌から複雑味のある芳醇なコーヒーが生まれます。花を思わせる繊細なアロマとナッティーなコクがあり、上品な甘さと余韻の長さが特徴です。

グアテマラ産コーヒーの品質を守る団体「アナカフェ」

コーヒー生産者の代表組織「アナカフェ(グアテマラ全国コーヒー協会 ANACAFE=Asociación Nacional del Café)」は、グアテマラコーヒーの品質を守るために生産や販売の支援、プロモーション活動などを行っている団体です。

アナカフェによる豆の格付け等級

グアテマラのコーヒー豆は、アナカフェによって定められた「格付け」システムによって厳格に分類されています。栽培されている産地の標高によって、以下の7つの等級に分けられています。

等級標高
SHB(ストリクトリーハードビーン)1,350m以上
HB(ハードビーン)1,200~1,300m
SH(セミハードビーン)1,050~1,200m
EPW(エクストラ プライム ウォッシュド)900~1,050m
PW(プライム ウォッシュド)750~900m
EGW(エクストラ グッド ウォッシュド)600~750m
GW(グッド ウォッシュド)600m以下

最も高い等級が「SHB」、低い等級が「GW」です。

標高が上がるほど等級が高くなる理由は、高地の方が「昼夜の寒暖差があり締まった実ができやすい」「湿気が溜まりづらく病気になりにくい」など、いいコーヒーの実になる条件がそろっているからです。

美味しいグアテマラコーヒーの選び方!シングルオリジンで産地を感じて

グアテマラコーヒーを選ぶ際は次のポイントに注目してみましょう。

  1. 1.産地を見る
  2. 2.等級にこだわる
  3. 3.焙煎度合いで選ぶ

1つ目のポイント「産地」を見ること。ひとつの産地の豆を使用した「シングルオリジン」のコーヒーから産地の個性を感じてみましょう。

「グアテマラコーヒーの主要な産地」で解説したとおりグアテマラには8つのコーヒー名産地があり、それぞれ産地固有の味わいを持っています。大まかな味わいの傾向をまとめたので、選ぶ際の参考にしてみてください。

▼フルーティーな酸味や繊細なアロマが好きな場合

  • ⚫︎アンティグア
  • ⚫︎ウエウエテナンゴ
  • ⚫︎フライハネス
  • ⚫︎オリエンテ

▼ナッティーなコクやチョコレートのような甘みが好きな場合

  • ⚫︎コバン
  • ⚫︎アティトラン
  • ⚫︎サンマルコス

2つ目のポイントは「等級」にこだわることです。高いグレードのグアテマラコーヒーの方が「酸味があって芳醇な香り」、低いグレードの方が「甘みがあってまろやかな味わい」の傾向があります。

そして3つ目のポイント「焙煎度合い」で、好みの味わいを追求してみましょう。例えば、浅炒りから中炒りを選べば、グアテマラコーヒー特有の「柑橘を思わせるフルーティーな酸味」を強く感じることができます。

一方中炒りから深炒りを選べば「チョコレートやナッツを思わせるコク深さ」を強調できます。同じ産地の銘柄を違う炒り方で飲み比べ、自分の好みを見つけて楽しむのもおすすめです。

なお、焙煎度合いによる味わいの違いについてはこちらの記事で詳細を解説しています。

自宅でのやり方や焙煎度による味の違いなどを解説

産地を感じられるグアテマラコーヒーのおすすめ製品を2つ紹介

ここからは「グアテマラコーヒーらしさ」を楽しむのにうってつけのおすすめ製品を2つ紹介します。

1つ目は、「SANTA CLARA GUATEMALA GEISHA(サンタクララ グアテマラ ゲイシャ)」です。

【公式限定】10th アニバーサリーカプセルセット | UCC ドリップポッド ( DRIP POD ) 公式ストア

アカテナンゴ地区にある標高1,800mの畑で栽培された、華やかな香りが特徴的なゲイシャ種のコーヒー豆を100%使用しています。

特有の火山灰土壌と冷涼な気候に育まれた、フルーティーな香りと柔らかい酸味のある味わいで、トロピカルフルーツのような明るさや柔らかさが感じられるコーヒーです。

2つ目の製品は、グアテマラの個性を生かしたブレンドコーヒー「UCC DRIP POD グァテマラ&コロンビア」です。

UCC DRIP POD グァテマラ&コロンビア 12P1O2 | UCC ドリップポッド ( DRIP POD ) 公式ストア

グァテマラのカカオのような濃厚感と、コロンビアのやわらかい酸味が合わさった新しい味わいです。ダークチョコレートのようなコクがあり、飲みごたえがありながらすっきりとした飲み口をお楽しみいただけます。

ここで紹介したおすすめ製品は、いずれもコーヒーマシン「ドリップポッド」の専用カプセルです。

ドリップポッドの専用カプセルは世界中のコーヒー豆が楽しめる多彩なラインナップがあり、産地の飲み比べにもぴったり。マシンが実質無料になる「カプセル定期便サービス」やオフィスへの設置なども承っていますので、気になる方はぜひこちらからお問い合わせください。

グアテマラコーヒーを美味しく飲む方法

グアテマラコーヒー本来の味わいを感じたいなら、まずはブラックで楽しんでみましょう。

特に「アンティグア」など、特定産地のシングルオリジンコーヒーを手に入れたら、丁寧にハンドドリップして飲むことをおすすめします。

▼美味しくハンドドリップする方法

  1. ペーパーフィルターにコーヒー粉12gを入れ、カップにセットする
  2. お湯を沸騰直前(95度)まで温める
  3. 少量ずつお湯を粉に注いで粉全体をしっとりさせ、20秒~30秒ほどそのままにする(蒸らす)
  4. 円を描くように、静かに熱湯を注げば抽出完了

注ぐ熱湯の量は130cc~150cc程度がおすすめです。ぜひ温めたカップを用意して、フローラルなアロマと余韻の長さを感じてみてください。

グアテマラで親しまれているカフェオレ「カフェ・コン・レチェ」の作り方

グアテマラコーヒーを楽しむ方法のひとつとして、はちみつ入りカフェオレ「カフェ・コン・レチェ」の作り方を紹介します。カフェ・コン・レチェは、グアテマラを含むラテンアメリカ一帯で人気の飲み方です。

▼「カフェ・コン・レチェ」の作り方

  1. グアテマラ産のコーヒーを濃いめに100ccほど抽出する
  2. 60度くらいにあたためた牛乳を泡立て、フォームドミルクを作る
  3. 透明なグラスにはちみつ、フォームドミルク、コーヒーの順に注ぎ入れる

上手に作るためのポイントは深炒りコーヒーを選ぶことと、ミルクとコーヒーを静かに注ぎ入れること。静かに注ぐことではちみつ、ミルク、コーヒーがきれいな層になり、美しく仕上がります。

グアテマラコーヒーのおすすめマリアージュ

バランスの取れた味わいを持つグアテマラコーヒーは、様々なスイーツと相性抜群。その中でも特に「チョコレートやナッツを使ったお菓子」とのペアリングは絶品です。グアテマラコーヒーの持つカカオ感がチョコレートの味わいとぴったりマッチします。

より感動できるコーヒーマリアージュの体験を求めるなら、焙煎度合いとカカオの風味を組み合わせて考えるのも良い方法です。
例えば浅炒りのフルーティーなグアテマラには同じくフルーティーな風味のカカオチョコレートを、深炒りのこっくりしたグアテマラにはナッティーな風味のカカオチョコレートを合わせてみてください。香りや味わいの調和を感じることができるはずです。

またチョコレート以外だと、「りんごタルトやアップルパイ」との組み合わせもおすすめ。「アンティグア」や「ウエウエテナンゴ」など、豊かな酸味を持つグアテマラコーヒーを手に入れた場合はぜひ試してみてください。フルーツを思わせる酸味とまろやかな甘さが溶け合い、至福のデザートタイムになりますよ。

まとめ|上質なグアテマラコーヒーを楽しもう

グアテマラコーヒーには多様な産地と気候が織りなす奥深い味わいがあり、世界中のコーヒー愛好家を虜にしています。厳格な品質管理によって上質なコーヒーを生み出し続けている点も魅力のひとつです。

産地・等級の飲み比べや、お気に入りのコーヒーマリアージュ探しなど、グアテマラコーヒーの楽しみ方は無限に広がります。ぜひこの記事を参考に、グアテマラコーヒーの奥深さに触れてみてください。

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