ドリップポッドで広がる、お茶の新体験―掛川茶の旨みとプロの技を一杯に

“農園からこだわった、まっすぐな一杯”を届けるUCCドリップポッド。  「深蒸し静岡煎茶」と「静岡まろみ焙じ茶」には、静岡・掛川茶の奥深いおいしさが詰まっています。  その秘密は、茶づくりへのこだわりと、プロの技術が生きる独自の抽出プログラムにあります。

茶葉に込められたこだわり―世界に認められた「静岡の茶草場農法」

掛川の茶づくりには、2013年に世界農業遺産に認定された「静岡の茶草場農法」も活かされています。茶畑の周囲にある草地からススキやササを刈り取り、畝間に敷くこの農法は、保湿や土壌改良に貢献。とくにススキは10〜20年かけてゆっくり土に還り、ふわふわとした豊かな土をつくります。さらにこの草地には、絶滅危惧種を含む300種以上の生き物が生息し、環境と共生するお茶づくりを支えています。

茶園からカップまで一杯に込められた手間と技

茶園からはじまり、すべてのプロセスにおいてお茶作りに向き合う人たちの想いがバトンのように渡され、目の前の一杯の「お茶」へとつながっていきます。

栽培|静岡掛川で育まれる、深蒸し茶のふるさと

静岡県掛川市は、温暖な気候と適度な雨、日照時間の長さ、なだらかな傾斜地に恵まれた、日本有数のお茶の産地。その中でも「深蒸し掛川茶」は、茶葉を通常よりも長く蒸す“深蒸し製法”によって渋みが抑えられ、甘みや旨みの強い、濃厚な味わいに仕上がります。全国茶品評会で22回もの産地賞を受賞し、日本を代表するお茶として高く評価されています。

<斜面に息づく茶畑、手間ひまかけた育成>

なかでも、掛川市東山地区の茶園は20度以上の急斜面が多く、機械の入りにくい土地で今も多くの工程が手作業で行われています。そうした場所だからこそ、霧が立ち込め、昼夜の寒暖差が生まれ、茶葉に深いコクとまろやかさが育まれています。

4月下旬からの一番茶の時期には、天候の変化にも細心の注意が払われます。雨の翌朝にはブロワーで葉についた水を飛ばし、防霜ファンを稼働させて寒暖差から葉を守るなど、日々の丁寧な見回りが欠かせません。まさに、自然と対話するような営みが、おいしいお茶を育んでいます。

一次加工(荒茶工程)| “蒸す・揉む・乾燥”

摘みたての茶葉は、できるだけ新鮮なうちに加工場へ運ばれ、「蒸す・揉む・乾燥」の工程を経て“荒茶※”になります。この一次加工は、お茶の味・香り・水色のベースを決定づける、非常に重要なプロセスです。

茶葉は摘採と同時に酸化が進むため、時間との勝負。鮮度を保ちながら、圧力のない蒸気でまんべんなく蒸すことで、茶葉の持つ風味を最大限に引き出します。とくに掛川の「深蒸し茶」では、通常よりも長く蒸すことで渋みを抑え、まろやかで濃厚な旨みが生まれます。

※荒茶とは、畑から摘んだ葉を一次加工したもの。まだ製品としては不完全な状態です。

仕上げ加工 | “合組・火入れ乾燥”

この工程を担うのが、静岡で代々お茶づくりを続けてきた「赤堀商店」4代目・赤堀浩司さん。地域ごとの個性を活かしながら、お客様が“おいしい”と感じる味を追求し、茶葉を目利きし合組※・火入れで理想の一杯へと仕上げます。

※合組(ごうぐみ)とは、異なるサイズ、形状、味わいの荒茶を組み合わせるブレンドのこと。

茶商の役割を知る   >

焙煎| “煎茶から焙じ茶へ”

焙じ茶には、茶葉をあえて多く使用し、低温でじっくり焙煎。甘みと香ばしさ、そして“まろみ”が両立した味わいが生まれます。

揉みと乾燥の工程では、形状や水分量を整えながら、生葉の力強さを製品へと引き継いでいきます。荒茶はまだ完成品ではありませんが、ここでの丁寧な仕上げが、最終的な味に大きく影響を与えるのです。

抽出| 誰でも、いつでも、プロの一杯を

ドリップポッドでは、抽出温度・速度・蒸らし時間まで緻密にプログラムされており、誰が淹れても安定したおいしさが楽しめます。「深蒸し静岡煎茶」では鮮やかな水色と甘み、「静岡まろみ焙じ茶」では芳ばしさとまろやかさが際立ち、どちらも忙しい日常に“ほっとひと息”をもたらしてくれる一杯です。

お茶と楽しむ、ひと口の幸せ―ティーマリアージュ

お茶の風味をより深く味わうなら、食べ物とのペアリング=ティーマリアージュがおすすめ。「深蒸し静岡煎茶」「静岡まろみ焙じ茶」と相性の良い組み合わせをご紹介します。

<レモンケーキ × 深蒸し静岡煎茶>

まろやかな甘みと控えめな渋みが、レモンの酸味と甘さを上品にまとめ、爽やかな後味に。

<きな粉もち × 静岡まろみ焙じ茶>

芳ばしい香りがきなこの風味と重なり合い、甘く芳ばしい香りの余韻が長く味わいに。

DRIP POD YOUBIで広がる、お茶の深い味わいと楽しみ方

抽出までサポートすることでおいしさを届けている私たちは、2023年9月に発売した新マシン「DRIP POD YOUBI」を通じて、お茶の新たな楽しみ方を広げることにも挑戦しています。湯温、湯量、抽出スピードを自在に調整できるこのモデルは、従来のマシンでは再現が難しかった“お茶のエスプレッソ”や、“水出しのような甘みと旨み”といった繊細な味わいまで引き出すことができます。

同年10月、DRIP POD YOUBIの初出展となる展示会で、茶師・赤堀氏が実際にマシンを体験。「これならいろいろな試みができる。面白い!」と高く評価してくださり、この言葉をきっかけに、12月から赤堀商店との共同開発が始まりました。

そして2025年1月、赤堀氏とともに完成させたプロレシピがついに誕生。茶師の経験と技、そして私たちの技術と情熱が詰まったレシピです。

<プロレシピの情報はこちら>

お茶にも、まだ知られていないおいしさや魅力があります。
次にあなたが味わうその一杯が、そんな発見のきっかけになることを願いながら、

私たちはこれからも、おいしさの可能性を広げていきます。

プロフィール|赤堀 浩司(あかほり こうじ)
静岡の茶商。昭和21 年創業「赤堀商店」の4代目社長を務める。茶葉の目利きから素材の持ち味を活かす味覚設計、美味しさを守り抜く品質管理まで一貫して行い、掛川の深蒸し茶を多くの方へ楽しんでいただくため、伝統と新たな視点を取り入れた、お茶製品の開発に取り組む。

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