Photo / Yusuke Kitamura
Edit & Text / Akio Mitomi
東京・六本木の東京ミッドタウンに2024年10月10日〜13日の4日間、高さ4mの巨大ガチャが出現した。実はこれ、「UCCカプセル珈琲店」と題したポップアップカフェの“珈琲ガチャ”。10月1日の「コーヒーの日」に、コーヒーカプセルに見立てた〇(マル)を足した10月10日を「UCCカプセルコーヒーの日」に制定したことを記念して、12種類のカプセルコーヒーを無料で提供するためのスペシャルなマシンだ。
会場のプラザ1階キャノピー・スクエアはオフィスワーカーやショッピング客が行き交う広場。巨大ガチャの圧倒的な存在感が人々の目を惹き、また秋のデザインイベントTokyo Midtown DESIGN TOUCHの会期とも重なり、延べ2,700人以上の来店者を集めた。
参加者はスマートフォンアプリLINEのUCCドリップポッドストア公式アカウントを友だち追加するだけで、“珈琲ガチャ”を回すためのコインをゲット。コインを投入して、ダイヤルをガチャガチャと回すと、12種類のコーヒーカプセルのうちどれか1種類が出てくるという楽しい仕掛けだ。
カプセルトイのように透明な容器を空けると、中にはにカプセルコーヒーと説明書が。写真のモカ&キリマンジァロは「アフリカ育ち、甘くてなめらかさん」というキャラクター設定でコーヒーの特徴を伝えてくれる。
ゲットしたカプセルは、プロのハンドドリップの抽出メカニズムを搭載したカプセル式ドリップコーヒーマシン「DRIP POD YOUBI」に参加者自身がセットし、抽出を実体験。日本や世界の抽出競技会で活躍するUCCグループのコーヒーのスペシャリストが作った「プロレシピ」で提供される。
会場の床にはウッディなフローリングとレザーのソファが設えられ、イートイン利用者は昔ながらの喫茶店の雰囲気も楽しめた。
“珈琲ガチャ”に込められたメッセージ
「UCCカプセル珈琲店」開催の狙いは、日本ではまだ認知度の低いカプセル式コーヒーマシンを参加者自身に使ってもらい、その存在をPRすることはもちろんのこと、“珈琲ガチャ”で未知のコーヒーとの出合いを提供する場をつくることにもあった。
東京ミッドタウンのオフィスワーカーで、同僚3人と来店した参加者は「すごく大きなガチャが面白いと思って! いつも飲んでいるコーヒーは苦味が強いタイプですが、出てきたカプセルは酸味が強くマイルドなコーヒー。意外と好みに合いました。オフィスにも導入してもらえたらいいな」と、新たな出合いがあったよう。
さらに出現率1%以下のスペシャルカプセルを引き当て、賞品の「DRIP POD YOUBI」をプレゼントされた参加者にも遭遇。「レギュラーコーヒー用のコーヒーマシンは使ったことだありますが、カプセル式コーヒーマシンはこれが初めて。コーヒーが飲めない家族のためにお茶も淹れられるようなので、とても助かります」と、喜びもひとしおだった。
新たなコーヒーとの出合いを求めて、2杯目の“珈琲ガチャ”に挑戦したい参加者は、DRIP POD公式オンラインストアの会員登録でコインをもう1枚ゲット! イベント取材担当者も挑戦し、2杯目のコーヒーはハワイコナブレンド。キャラ設定は「ハワイ育ち、明るいトロピカルさん」だった。
また会場ではInstagramかXのDRIP POD公式アカウントをフォロー、ハッシュタグ「#UCCカプセル珈琲店 #カプセルコーヒーの日」を付けて写真を投稿して、10月1日より新発売の「meiji THE Cacao」のチョコレートもゲット。提供されたコーヒーと相性のいいチョコレートとのマリアージュまで楽しめた。
「UCCカプセルコーヒー店」を振り返って。
海外では主流の飲み方となっている、カプセル式コーヒーをもっと日本でも知ってもらうためにはどうしたらよいか――実は「UCCカプセルコーヒーの日」は2023年10月2日に日本記念日協会より正式に認定を受け、約1年かけて準備をしてきました。最大の特徴である高さ4mもの”珈琲ガチャ”は、はじめは実施するかどうか非常に悩み、2か月ほどかけて議論し合いました。今回初めて実施したイベントで、短期間でこれだけ多くの方にご来場いただき、体験していただけたことに非常に驚くと共に、嬉しく思っています。
今回のイベントで大切にしたポイントが2つあります。1つはガチャの“カプセル”とコーヒー“カプセル”をかけ合わせ、「カプセル×カプセル」という演出で、コーヒーを楽しく味わってもらう仕掛けを作ったこと。もう1つはあえて自分の好きなコーヒーを選べないことで「新しいコーヒーの味わいにチャレンジしてもらう」ことです。
2つ目のポイントとして、コーヒーを自宅で楽しむ人は「コーヒーは好きだけれども、どうしてもいつも同じ味を選んでしまう」のではないかという仮説を立てました。実際にアンケート調査を実施してみると、コーヒー好きであればあるほど、2人に1人がマンネリを感じており、好みに合わない不安や味の想像がつかないなどといった不安から過半数以上が「新しい味わいに挑戦しない」と回答しました。そこで珈琲ガチャでコーヒーの味わいとランダムに出会ってもらうことで普段挑戦しない味わいに挑戦しやすくなるのではないか、と考えました。またカプセル式はバリエーションも豊富で、個包装により鮮度を保つことができ、1杯ずつ味わうことができるメリットも体験してもらえるのではないか、と考えました。
そのほかにも、イベントの設計にはアンケートの結果を活用しており、キャラクター仕立てにしたコーヒーカプセルは、アンケートから「産地や苦み、酸味などの味わいに関する説明を見てもよくわからない」といった回答が多かったことを受け、より親しみやすい味わいの表現にチャレンジしました。
その結果、SNSでは「普段挑戦しない味わいだけど、美味しい!」といった声や、「楽しい!」といった投稿をたくさんいただきました。会場に設置した投票BOXには97%の方が「カプセル式コーヒーは美味しかった!」と投票してくださいました。実際に自分の好み以外のコーヒーも体験していただき、新しいコーヒーの味わい体験が「美味しい!」という体験に繋がったことが非常に嬉しく、また来年の「UCCカプセルコーヒーの日」に、もっと多くの方にカプセル式コーヒーを楽しんでいただけるよう、今後もさらなる成長を目指して挑戦していきたいと思います。
ソロフレッシュコーヒーシステム株式会社
事業開発部 PRマネージャー 西川満美子