【初心者でも簡単】ドリップコーヒーをおいしく淹れるコツは?

「コーヒーを淹れてみたけれど、思ったほどおいしくならない…」「たくさんの淹れ方があって、どれが正解かわからない…」そんな悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。本記事では、ドリップコーヒーをおいしく淹れるためのコツをわかりやすくご紹介します。この記事を読めば、自宅やオフィスでも簡単においしいコーヒーを淹れる方法がわかります。自分で淹れたドリップコーヒーを楽しみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ドリップコーヒーとは

ドリップコーヒーとは、ドリップ式の抽出方法で淹れるコーヒーです。コーヒー粉にお湯を注ぎ、お湯を透過させながらコーヒーを抽出する方法です。ドリップコーヒーでは、コーヒー豆を挽いたコーヒー粉を使用します。手頃に入手したい場合は、量販店やスーパーで販売されているものだと、「レギュラーコーヒー(粉)」と表示されているものを選びましょう。


ドリップコーヒーを淹れるのに必要な道具は?

おいしいドリップコーヒーを淹れるために用意したほうが良い道具。ドリップを始めたいけど、何から揃えたらいいのかわからないという方のために、おいしい一杯を目指すのはもちろん、使いやすさや利便性を重視した選び方のポイントをご紹介します。

コーヒー豆

● 焙煎後2~4週間の鮮度が良いものを選ぶ● 日常の飲用ペースに合わせて容量を選ぶ

専用のコーヒーミルを使って自宅で挽きたてのコーヒーを楽しみたいという方には、豆で購入するのをおすすめします。まずは手軽にドリップコーヒーを始めてみたいという方は粉で購入するのがおすすめです。コーヒー豆を選ぶ際のポイントとして、鮮度の良し悪しを見極めることが大切です。最も風味が豊かとされる、焙煎後2~4週間を目安に、焙煎日が新しいものを選ぶのがおすすめです。また、開封後の鮮度低下を考えると、1~2週間で飲み切れる容量を目安に選ぶと良いでしょう。ご自身の飲むペースに合わせて、適切な容量のものを選びましょう。

ドリッパー

初心者なら「台形型」のドリッパーがおすすめ

ドリッパーはコーヒー粉を入れたフィルターをセットして固定するための器具です。コーヒー粉にお湯を注ぐと、ドリッパーにあいている穴からサーバーやコーヒーカップにコーヒーが抽出される仕組みになっています。ドリッパーの形状は様々ですが、大きく分けて抽出口がとがった「円錐型」、底が広い「台形型」の2種類が代表的です。

<「円錐型」のドリッパー>
台形型に比べて穴が大きく、中心に向かってお湯が透過するため、お湯が透過するスピードが比較的早いのが特徴です。お湯の注ぎ方によって味わいが大きく変わります。
お湯を注ぐ時のコントロールが必要であるため、中級者以上の方におすすめです。

<「台形型」のドリッパー>
 円錐型に比べると、比較的穴が小さく、コーヒー液がドリッパーの底に溜まってから落ちる構造になっています。比較的お湯を注ぐ速度に左右されにくいため、初心者向きと言えます。

コーヒーフィルター

● 初心者なら「ペーパーフィルター」がおすすめ
● 紙のニオイうつりの無い「漂白タイプ」がおすすめ

コーヒーフィルタードリッパーにセットして使用します。ペーパーフィルター、布フィルター、金属フィルターなど様々な種類がありますが、もっともポピュラーで初心者でも使いやすいのは、ペーパーフィルターです。ペーパーフィルターには漂白タイプと無漂白タイプがあります。色の白い漂白タイプのフィルターは、紙特有のニオイもないため、コーヒーの味わいに悪影響を与えないフィルターです。ドリッパーの種類やサイズに合わせて選ぶようにしましょう。

コーヒーサーバー

● 抽出量を確認できる、便利な杯数メモリ付きのサーバーがおすすめ

コーヒーサーバーとは、抽出したコーヒーを受けとめるために使用する容器です。
ガラス製が一般的ですが、陶器やステンレスなどの材質のものもあります。
注ぎ口がついていて、コーヒーをカップに注ぎやすい形状になっています。

コーヒーサーバーには杯数メモリが付いていることが多く、抽出量の目安がわかるようなデザインになっています。メモリ付きのコーヒーサーバーを選べば、計りがない時にコーヒー液の量を確認しながら抽出することができるため便利です。

コーヒーミル(コーヒーグラインダー)

● メンテナンスの手間を省きたい人や持ち運びたい人には「手動ミル」が便利。
● 本格的な電動ミルを使ってみたいという方はまずは「臼刃式」がおすすめ。

コーヒーミルはコーヒー豆を粉状にするための器具です。手で回して挽く手動ミルと電力で刃を動かして自動で挽く電動ミルの2種類に分けられます。扱いやすさやスタイルに合わせて選ぶことをおすすめします。

<手動ミル> 
・臼式(うすしき)という臼状の刃で挽くタイプが主流。
・耐久性に優れており、セラミック製の刃は丸ごと水洗いできるという点から家庭でメンテナンスがしやすい。
・軽量で小型のタイプは、持ち運びに便利なため、アウトドアでコーヒーを楽しみたい時にも最適。

<電動ミル>
・刃の違いによって金額も異なりますが、臼式は比較的粒度の均一性があり高性能でありながら、比較的安価(数千円~1万円程度)でまずは本格的な電動ミルが欲しい方にはおすすめです。

ドリップポット

● 温度調整ができる湯沸かしポットが便利。
● 一度に淹れる範囲が3杯程度であれば、1.0L容量がおすすめ。

ドリップポットはハンドドリップに適した、注ぎ口が細口の形状のポットです。ドリップに最適な注ぎ口の細さや角度などが考え抜かれた構造になっているため、傾ける角度によって、お湯を注ぐ量やスピードをコントロールしやすいのが特徴です。お湯の温度はコーヒーの味わいに影響を与える重要な要素です。湯沸かし機能が付いたタイプのポットは、1℃単位で温度調整することができるため、引き出したい味わいに合わせて使用したい時に便利です。

容量は0.8~1.0Lのタイプが主流です。一度に淹れる範囲が1~3杯程度なら、この一般的な1L前後のものだと使い勝手が良くおすすめです。

計量はかり

コーヒー粉の量を正確に量るために、計量はかりがあると便利です。計量スプーンはメーカーによって異なるため、計量はかりを使用することをおすすめします。コーヒー粉の量を調整することで、濃さを調整することができます。


おいしく淹れるための基本的な手順

ここからは、おいしく抽出するための手順とポイントを解説します。

用意するもの(1人前)

・コーヒー(中細挽き) 1杯分あたり10~12g
・お湯 注ぐのは1杯分あたり160ml程度(カップの温めなどにも使うので多めに用意)
・ドリッパー
・ペーパーフィルター
・コーヒーカップ

①器具とカップを温めておく

●器具は温めておくことで抽出後のコーヒーの温度を保つことができます。
ドリッパーとサーバー、カップなどをあらかじめ湯煎してあたためておきます。
抽出後のコーヒーが冷めてしまうのを防ぎ、淹れたときに飲みごろ温度に。

②フィルターをドリッパーにセットし、コーヒー粉を入れる 

● 注いだお湯が抜けないようにドリッパーに密着させるようにセットする。
● お湯が均一にいきわたるように粉は平らに。

ドリッパーの形に合うフィルターを使います。
円錐型ならフィルターの圧着部分の1か所を、台形型は底面と側面の2か所を互い違いに折り、ドリッパーにしっかりとセットします。
フィルターの中へ粉を入れ、お湯がムラなく全体に行き渡るように、軽く振って粉の表面を平らにならしておきましょう。

③お湯を用意する

●お湯の温度はコーヒーの成分がバランスよく抽出される温度92~96℃が適温。
沸騰したお湯が鎮まり落ち着いたぐらいが適温(92~96℃)です。
やかんで沸かした場合は、細口のドリップポットへお湯を移し替えたらだいたい適温、と覚えておきましょう。
お湯の量をコントロールしやすい細口のドリップポットを使うのがおすすめです。

④「蒸らし」をする

● 20mlのお湯を注いで20秒蒸らすことで、コーヒーの成分を引き出す準備をする。
はじめに必ず、粉の表面にそっと少量のお湯を注ぎ、「蒸らし」をします。
20秒ほどおいて粉の中にあるガスを追い出すことで、おいしい成分を引き出しやすくする工程です。焙煎して間もないコーヒーを使用する場合は蒸らし時間を少し長めにとると良いでしょう。まず、20cc程度の少量のお湯を粉全体にゆっくり注ぎます。この際、コーヒーフィルターに直接お湯がかからないように気をつけましょう。

⑤数回に分けてお湯を注ぐ

●粉とお湯が接触している時間を長く保ち、バランスの良い味わいに仕上げるために数回に分けてお湯を注ぐ。
バランスよくコーヒーの成分を抽出する方法として、3回に分けて抽出する「3投式」の抽出方法をご紹介します。蒸らし(20cc)の後に、全部で80cc+40cc+20cc=140ccのお湯を注ぎます。中心から1円玉程度のサイズの円を描くように注ぐのがポイントです。

<STEP1>
蒸らしを終えたら、80ccのお湯を注ぐ。
(水面が上から1/3程度下がるのを待つ。)
<STEP2>
40ccのお湯を注ぐ。ドリッパー内でコーヒーとお湯の接触時間を長く保ち、しっかり成分を抽出。(1投目に注いだラインを超えないように注意する。)
<STEP3>
中央に少し凹みができたら、最後に20ccのお湯を注いで完成。


専用器具を持っていない人に便利な「ワンドリップ」

ハンドドリップで淹れたような本格的なコーヒーを楽しみたいけど、「器具を用意するのも手間だ。」、「自宅ではなくオフィスやアウトドアでも手軽に楽しみたい!」という人におすすめなのが、ワンドリップのコーヒーです。ワンドリップは、カップとお湯さえあれば1杯分のレギュラーコーヒーが手軽に楽しめるタイプのコーヒーです。
種類は大きく2つで、カップの上にセットして抽出する「カップオンタイプ」、カップの中でお湯に浸けて抽出する「フックタイプ」があります。

【おいしく淹れるための3つのコツ】

①お湯を均一に注ぐために、抽出を開始する前に粉を平らにする。
②沸騰して沸き立った泡が静まったタイミングの92~96℃のお湯を使うのがおすすめ。
③1杯に使用されている粉の量に合わせて注ぐお湯の量を調整しましょう。粉量に対して、14倍程度のお湯の量を注ぐのがおすすめです。

【用意するもの】

・ワンドリップコーヒー
・カップ(直径85㎜サイズ)
・ポット(細口のポットがおすすめ)

<カップオンタイプの淹れ方>

ハンドドリップの抽出テクニックが活かして、ちょっとこだわりたいという方は「カップオンタイプ」がおすすめです。基本的にはハンドドリップと同じように抽出を行います。

フィルターを開いて、カップにセットします。
ハンドドリップと同じように、20ccお湯を入れて20秒ほど蒸らした後に、
80cc→40cc→20ccの3回に分けてお湯を注ぎます。コーヒーが落ちきったら出来上がりです。

<フックタイプの淹れ方>

フィルターを開いて、カップにセットした後、お湯を注いで4分ほどつけて抽出する。
(※背の高いカップを使用する場合は、カップオンタイプと同じようにドリップ抽出して抽出します。)


おいしいドリップコーヒーのある暮らしを始めよう

自宅でおいしいドリップコーヒーを淹れるには、器具選びや手順のポイントを押さえることが大切です。本記事では、初心者でも取り組みやすいハンドドリップの基本や器具の選び方、具体的な手順をご紹介しました。

最適なコーヒー豆を選び、適切な器具を揃え、丁寧に手順を追うことで、驚くほど豊かな味わいを実現できます。特に、 「蒸らし」とお湯を数回に分けて注ぐ工程 は、コーヒーの味わいを左右する重要なポイントです。また、専用器具がなくても手軽に楽しめる「ワンドリップ」も、日常の中で本格的な味を手軽に楽しむ方法としておすすめです。

淹れたてのコーヒーの香りに包まれながら、自分好みの一杯を味わう時間は格別。ドリップコーヒーの奥深さと楽しさを感じながら、ぜひ自分だけの淹れ方を追求してみてください。


<ポイントをおさらい>

● 豆の選び方: 焙煎後2~4週間以内の新鮮な豆がおすすめ。
● 器具の選定: 初心者には「台形型ドリッパー」や「ペーパーフィルター」が使いやすい。
● 淹れ方のコツ: 蒸らしや3回に分けて注ぐ「3投式」でバランス良く抽出。
● 手軽さ: 時間がないときは「ワンドリップコーヒー」も選択肢に。

ぜひ、この記事を参考にしながら、暮らしに合わせたドリップコーヒーの楽しみ方を広げていきましょう。おいしいコーヒーのある暮らしを始めてみませんか?

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