
目次
高級コーヒーの代名詞とも言えるブルーマウンテン。実際に「コーヒー銘柄といえばブルーマウンテン」の印象を持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし有名だからこそ「どうしてブルーマウンテンは高級品なの?」「何が他のコーヒーと違うの?」などの疑問の声も多く聞かれます。
本記事では上記の疑問にお答えしつつ、ブルーマウンテンコーヒーの特徴や産地ジャマイカについて解説していきます。
記事の終盤には、ブルーマウンテンのおすすめ製品やコーヒーマリアージュまで紹介するので、本記事をきっかけにブルーマウンテンの魅力と奥深さに触れてみてください。
ブルーマウンテンコーヒーとは?

ブルーマウンテンコーヒーとは、ジャマイカのブルーマウンテン山脈で栽培された高品質なコーヒーのことです。以下の2つの基準を満たすコーヒーのみが「ブルーマウンテンコーヒー」と名乗ることができます。
- 1.ブルーマウンテン山脈の中でも標高800mから1,200mの限られたエリアで栽培されたコーヒー豆であること
- 2.ジャマイカの公的機関が認めた高品質なコーヒー豆であること
なぜブルーマウンテンは「高級コーヒー」なのか
ブルーマウンテンコーヒーが「高級コーヒー」であるゆえんは、品質と希少性にあります。ブルーマウンテンエリアは、コーヒー栽培に適した要素が奇跡的に組み合わさった産地です。寒暖差や適度な降雨量・湿度は、コーヒーに豊かな風味と上品な飲み心地を与え、世界中で支持される「美味しいコーヒー」を生み出しています。
さらにブルーマウンテンコーヒーはジャマイカ政府の公的機関によって厳格に管理されているため、品質が安定している点も大きな特徴です。
また山の中の限られたエリアでしか栽培されていないため生産量が非常に少ない点も、他のコーヒーに比べて高値で取引される大きな理由のひとつになっています。
ブルーマウンテンコーヒーの特徴|すべての要素が調和した上品な味わい

ブルーマウンテンはただ「高級」なだけでなく、その味わいも格別です。「コーヒーの王様」とも呼ばれるほどの優雅な香りとバランスのとれた味わいがあり、特に酸味と甘みとコクの調和が秀逸です。まさに高級コーヒーと呼ぶにふさわしい均整の取れた風味を持ち、優しくまろやかな飲み口を楽しめます。
またブルーマウンテンコーヒーはその希少性とクオリティの高さから、世界三大コーヒーのひとつと称されています。
なお世界三大コーヒーとは、ジャマイカ産ブルーマウンテンコーヒーとタンザニア産のキリマンジャロコーヒー、ハワイ産のコナコーヒーの3銘柄を指します。
ブルーマウンテンコーヒーの産地「ジャマイカ」とはどんな国?

ブルーマウンテンコーヒーが生産されているのは、カリブ海に浮かぶ島国「ジャマイカ」です。国土の面積は10,990平方kmで、岐阜県とほぼ同じ大きさ。イギリスの植民地だった歴史をもつことから、国の公用語には英語が使用されています。
コバルトブルーの海や山、滝など国中に美しい自然が溢れているジャマイカは、観光業や農業が盛んです。ジャマイカの国土は海岸沿いの低地エリアと山脈が連なる高地のエリアに分かれますが、そのうちコーヒーが生産されているのは高地のエリアです。低地の熱帯気候エリアでは、主にバナナや砂糖などが栽培されています。
ジャマイカ・ブルーマウンテンエリアの気候や土壌

ジャマイカの中で最も上質なコーヒーを生み出す生産地が「ブルーマウンテン」です。ブルーマウンテンはジャマイカ東部に位置する山地で、最高峰「ブルーマウンテンピーク」の標高は2,256mにもなります。のブルーマウンテンエリアがおいしいコーヒーを生み出すのは、特有の気候と土壌の性質によるものです。上質なコーヒーを生むブルーマウンテンならではの特徴を、具体的に3つ見ていきましょう。
朝晩の寒暖差が激しい
標高の高いブルーマウンテンには山地特有の寒暖差があり、日中は温暖でも朝晩はぐっと冷え込みます。この寒暖差がコーヒーの実を引き締め、酸味を蓄えた奥行きのある味わいを生み出します。
適度な雨量・湿度がある
ブルーマウンテンエリアには乾季と雨季があり、コーヒー栽培に最適な雨量や湿度が保たれています。
特に「ブルーマウンテンミスト」と呼ばれる霧が発生する点も見逃せません。コーヒーはアフリカを原産とした植物で、暖かく湿った環境を好みます。霧が立ち込めるブルーマウンテンの環境はコーヒーに十分な水分を与え、実の乾燥を防ぐ役割を果たします。
栄養満点な弱酸性土壌
コーヒーは弱酸性で栄養分の多い土壌を好む植物です。ブルーマウンテンの土壌はコーヒーが好む「肥沃な弱酸性土壌」であり、栽培に最適な土質を持っています。
山の恵みが詰まった栄養分たっぷりの土はコーヒーに複雑な風味を与え、美味しいコーヒーを実らせるのです。
ジャマイカにおけるコーヒー産業の歴史


ジャマイカでコーヒーの栽培がスタートしたのは1728年のこと。イギリス人の総督がフランス領のマルティニーク島からコーヒーの木を持ち込んだことがきっかけだと言われています。
その後ブルーマウンテン地区がコーヒー栽培に最適であることがわかり、ブルーマウンテンで大規模なコーヒー栽培が行われるようになりました。
しかし19世紀後半の奴隷解放で農地の人手が足りなくなったことや、自然災害などが原因となりコーヒー産業は一時衰退します。
再度コーヒー産業に日の目が当たったのは1948年のことでした。ジャマイカ政府はコーヒー産業公社(CIB)を設立し、コーヒーの生産を増やして品質を向上させる取り組みを行ったことでコーヒー産業は再び活気を取り戻します。この動きが、ブルーマウンテンコーヒーのブランド化を推し進め、高級コーヒーとしての地位が確立されていきました。
2018年にコーヒー産業公社はジャマイカ農産品規制公社(JACRA)に統合され、引き続き政府の管理下でブルーマウンテンブランドを守りながら高い品質のコーヒーを世界中に出荷しています。
ブルーマウンテンと日本との関係

ブルーマウンテンと日本は特別な関係を築いており、日本はブルーマウンテンコーヒー最大の輸入国です。なんと、全生産量の7~8割が日本へ輸出されています。日本でブルーマウンテンコーヒーが愛されている大きな理由は、次の2つが考えられます。
- 1.「ブラックコーヒー」を楽しむ人が多いため
- 2.日本の贈り物文化と高級コーヒーの相性が良かったため
日本人はブラックコーヒーを楽しむ人が多く、コーヒー豆そのものの味わいや風味を重視する傾向があります。コクがありつつ苦みのマイルドなブルーマウンテンコーヒーは、ブラックコーヒーを味わう日本人の味覚にぴったり。繊細な味覚を持つ日本人の嗜好にマッチしたのでしょう。
また日本で「高級コーヒー」のイメージが強いことから、ビジネスなどの贈答用として選びやすいという側面もあります。
ちなみに、1月9日「ジャマイカ ブルーマウンテンコーヒーの日」という記念日があることを知っていますか?ジャマイカから日本へのブルーマウンテン大型輸出がされた1967年1月9日にちなんで認定された記念日です。このような記念日が制定されるほど、日本とブルーマウンテンには密接な結びつきがあるのです。
ブルーマウンテンの品質を守る格付け制度

ブルーマウンテンの品質は、ジャマイカ農産品規制公社(JACRA)によって格付けされ、厳しく管理されています。基準を満たさないコーヒー豆は「ブルーマウンテン」の名前で出荷することはできません。
ブルーマウンテンは、豆の大きさや欠点豆の数によって以下の順位で格付けされています。
- ⚫︎No.1
- ⚫︎No.2
- ⚫︎No.3
- ⚫︎セレクト
「ブルーマウンテンNo.1」が最も上位の等級で、大きさや品質どれをとっても最高級の豆になります。厳しい品質検査をクリアした豆は非常に貴重で、通常のコーヒー豆の数倍の価格で取引されます。
なお上記の分類以外に、「丸豆(ピーベリー)」のみを集めた「ブルーマウンテン・ピーベリー」と呼ばれる等級もあります。
また、JACRAによって認められたブルーマウンテンコーヒーは、他のコーヒーのような麻袋ではなく品質保持のために「樽」に詰められて出荷されます。このようなこだわりが、ブルーマウンテンのブランドイメージを守っているのです。
ブルーマウンテンだけじゃない!ジャマイカ産コーヒー豆の格付け
ジャマイカのコーヒー栽培はブルーマウンテン以外でも行われています。ブルーマウンテンエリア以外で栽培されたコーヒーには、次のような格付け分類があります。
- ⚫︎ハイマウンテン
- ⚫︎プライムウォッシュ
ブルーマウンテンコーヒーの選び方

ブルーマウンテンコーヒーを選ぶ際は、「シングルオリジン」か「ブレンド」かに注目してみましょう。なおシングルオリジンとは、同一の産地や畑で栽培されたコーヒー豆のことを指します。
シングルオリジンにもブレンドにもそれぞれの良さがあります。どちらにすべきか迷う場合は以下のポイントで選んでみましょう。
▼ブルーマウンテンの「シングルオリジン」がおすすめのケース
- ☑「ブルーマウンテンコーヒー」の味を知りたい
- ☑自分へのご褒美に、特別なコーヒーが飲みたい
- ☑コーヒー好きの人へのプレゼントを探している
- ☑産地の飲み比べをしたい
▼ブルーマウンテンの「ブレンド」がおすすめのケース
- ☑価格を抑えつつ、ブルーマウンテンの特徴も感じられるコーヒーが楽しみたい
- ☑自分の好みの味わいでコーヒーを選びたい
- ☑いつもより少し上質なコーヒーを飲んでみたい
- ☑ブレンダーのこだわりやオリジナリティを感じたい
シングルオリジンのブルーマウンテンは、ブルーマウンテンエリアの豆を100%使用したコーヒーです。ブルーマウンテンらしい上品な香りと甘さ、軽やかな飲み心地を感じることができます。
一方ブルーマウンテンの豆を加えたブレンドコーヒーは、製品のコンセプトによっても味わいが異なります。「ブルーマウンテンらしさ」を感じたい場合は、ブルーマウンテンの配合割合が高いものを選んでみましょう。
ブルーマウンテンのおすすめ製品を紹介
産地を旅するように楽しめるカプセル式コーヒーマシン「ドリップポッド」がおすすめする、ブルーマウンテンの味わいが楽しめるおすすめ製品を2つ紹介します。
- 1.「ROSEHILL BLUE MOUNTAIN No.1(ローズヒル ブルーマウンテン ナンバーワン)」
- 2.「ブルーマウンテンブレンド」
ひとつ目はブルーマウンテン100%のシングルオリジンコーヒー。もうひとつはブルーマウンテンを使用したブレンドコーヒーです。
ROSEHILL BLUE MOUNTAIN No.1(ローズヒル ブルーマウンテン ナンバーワン)

【公式限定】10th アニバーサリーカプセルセット | UCC ドリップポッド ( DRIP POD ) 公式ストア
「ROSEHILL BLUE MOUNTAIN No.1(ローズヒル ブルーマウンテン ナンバーワン)」は、これぞブルーマウンテンと言うにふさわしい、バランスを極めた味わいが特徴の一品です。
格付け最上位「ブルーマウンテンNo.1」の豆を100%使用しており、フルーティーで豊かな風味が感じられます。自然の恵みと繊細な栽培技術が生み出した上質な一杯をぜひ堪能してみてください。
ブルーマウンテンブレンド

UCC DRIP POD ブルーマウンテンブレンド 12P_N1O2
ブルーマウンテンならではの「苦味、酸味、コクの調和のとれたバランス」を追究したブレンドコーヒーです。ブラウンシュガーを思わせる甘みが特徴的で、ブルーマウンテンらしい品格の感じられる味わいになっています。
ここで紹介した2つのコーヒーは、いずれもコーヒーマシン「ドリップポッド」の専用カプセルです。
ドリップポッドの専用カプセルにはブルーマウンテン以外にも様々な有名銘柄がラインナップされており、異なる産地の銘柄を飲み比べることもできます。
マシンが実質無料になる「カプセル定期便サービス」やオフィスへの設置なども承っていますので、興味のある方はぜひこちらからお気軽にお問い合わせください。
ブルーマウンテンを美味しく飲む方法

ブルーマウンテンコーヒーを手に入れたら、まずはアレンジを加えずにブラックで上質な風味を感じてみましょう。
特に「ブルーマウンテンNo.1」の格付けコーヒーは、ブラックで飲むことをおすすめします。ブルーマウンテンならではの繊細で豊かなアロマと、驚くほどの飲みやすさを体感できるはずです。いつもはミルクや砂糖を入れているという方も、一口目はぜひ何も加えずに味わってみてください。
自宅でハンドドリップにチャレンジする場合は、以下の方法で抽出すると美味しいブラックコーヒーを楽しめます。
▼ハンドドリップの方法
- 1.ペーパーフィルターにコーヒー粉12gを入れ、カップにセットする
- 2.お湯を沸騰直前(95度)まで温める
- 3.少量のお湯を粉全体に注ぎ、、20秒~30秒ほど蒸らす
- 4.中心から円を描くように、静かに熱湯(130cc~150cc程度)を注ぐ
ブルーマウンテンのおすすめマリアージュ

画像引用:【公式限定】10th アニバーサリーカプセルセット | UCC ドリップポッド ( DRIP POD ) 公式ストア | UCC上島珈琲
ブルーマウンテンコーヒーでスイーツタイムを楽しむなら、コーヒーマリアージュを意識してみましょう。ブルーマウンテンの長所である「甘みあるコクとまろやかな飲み心地」を引き立てるには、しっとり滑らかな質感で自然な甘みのあるお菓子を選ぶのがポイントです。
特におすすめなのが「キャラメルソースを使ったケーキやバームクーヘン」、また「ベイクドチーズケーキ」です。香ばしさと滑らかな生地は、ブルーマウンテンの飲み口と相性抜群。ワンランク上のスイーツタイムを彩ってくれます。
ブルーマウンテンNo.1は和菓子とも好相性。「羊羹」や「和栗のモンブラン」も素敵なマリアージュになります。和栗の持つ自然で上品な甘さとほどけるようなモンブランの質感が、ブルーマウンテンの香りと溶けるように混じり合ってくれますよ。
まとめ|高級コーヒー「ブルーマウンテン」で贅沢なひとときを
「コーヒーの王様」ブルーマウンテンの上品な香りと調和の取れた味わいは、日々のコーヒータイムを特別なものに変えてくれます。産地や歴史に思いを馳せながら飲むブルーマウンテンコーヒーは格別な味わいです。「名前は知っていたけど飲んだことはなかった」という人は、自分へのご褒美にブルーマウンテンを楽しんでみてはいかがでしょうか?