目次
淹れたてのコーヒーにミルクを注いで作る、カフェオレ。コーヒーの豊かなコクにミルクのやさしい風味が重なり、ほっとする味わいが楽しめます。ブラックコーヒーが少し苦手な方でも、「カフェオレなら好き」という方はきっと多いはず。
朝の静かなひとときに、午後のリラックスタイムに――カフェオレは日常のどんなシーンにも溶け込む魅力があります。この記事では、そんなカフェオレをさらにおいしく楽しむための基本の作り方をはじめ、アレンジ次第で広がる多彩なバリエーションもご紹介。自分だけの理想のカフェオレを見つけて、おうちでのコーヒータイムをもっと特別なものにしてみませんか?
カフェオレとカフェラテの違い
「カフェオレ」と同じように、ミルク入りのコーヒー飲料として人気の高い「カフェラテ」。皆さんはそれぞれの違いをご存じでしょうか?実は、大きく3つの違いがあります。
その1:発祥地「カフェラテ」の発祥地はイタリアです。イタリア語で「カフェ」をコーヒー、「ラテ」はミルクを意味します。一方「カフェ オ・レ」はフランスを発祥とし、フランス語で「カフェ」はコーヒー、「オ・レ」はミルクを加えることを意味します。フランスでは「カフェオレ」は特に朝食で親しまれており、大きめのボウルで提供されることが一般的です。クロワッサンやバゲットを浸して食べるスタイルがよく見られます。
その2:コーヒーの抽出方法
2つめは、コーヒーの抽出方法です。「カフェラテ」は、“エスプレッソコーヒー”にミルクを加えて作られます。一般的なカフェラテに使用するエスプレッソコーヒーは苦味の強い濃厚な口当たりが特徴的な味わいです。25〜35ccのエスプレッソに、スチームミルク(蒸気で温められたミルク)を入れて作られます。
一方、「カフェオレ」は、深煎りのコーヒーに温めたミルクを加えて作られます。比較的濃く抽出したコーヒーに温めたミルクを注いで作られます。「カフェオレ」と比較して、ミルクのまろやかさとコーヒーの風味が調和した優しい味わいが特徴です。
その3:ミルクの比率
「カフェラテ」で使用するコーヒーは少量で濃厚なエスプレッソコーヒーを使用するため、コーヒーよりもミルクの比率を多くして作られます。正確な分量の規定はありませんが、目安はエスプレッソコーヒーとミルクの比率は1:4が目安と言われています。一方「カフェオレ」は、一般的に濃く抽出したドリップコーヒーとミルクの割合は1:1で作られます。
「カフェオレ」はこんな人におすすめ
カフェオレはミルクとコーヒーのバランスがほどよく、コーヒーの風味をしっかり感じたい人にもおすすめです。ブラックコーヒーだと少し苦いけれど、甘すぎるのは苦手という方にもぴったりです。
カフェオレのおいしさと魅力
カフェオレといっても様々なタイプの味わいがありますが、わたしたちの考える“おいしいカフェオレ”とは、ミルクと一体感がありコーヒーの持つ風味個性が感じられる一杯。“おいしいカフェオレ”を入れるコツは、コーヒーの濃さ、ミルクの比率にあります。
ポイント1.新鮮なコーヒーを使用する
コーヒーのもつ豊かな風味を最大限に引き出すためには、まずは新鮮なコーヒーを準備しましょう。カフェオレのベースとなるコーヒーの風味が、その味わいを大きく左右します。そのため、新鮮なコーヒー豆を使用することが何よりも重要です。
・鮮度を保つ方法:
焙煎後2週間以内のコーヒー豆を選び、密閉容器で保存してください。湿気や光を避けることで香りが長持ちします。
・挽きたての豆を使用する:
飲む直前に豆を挽くことで、香りと風味を最大限に引き出すことができます。新鮮な豆から抽出されるコーヒーは、カフェオレ全体の風味を一段と引き立てます。
ポイント2.コーヒーは濃く抽出する
カフェオレでは、ミルクと混ざったときにコーヒーの味が薄まらないよう、しっかりとした濃さのコーヒーを準備することが大切です。
・コーヒーの抽出比率:
コーヒー粉の量に対して8~10倍の湯量を目安に抽出しましょう。
・抽出時間:
1人前のコーヒーを淹れる際は、1分~1分半かけて丁寧に抽出します。この時間を確保することで、コーヒー本来のコクが引き立ちます。
濃く抽出したコーヒーにより、ミルクとのバランスが整い、豊かな味わいを楽しむことができます。
ポイント3.牛乳は適切な温度で温める
カフェオレのもう一つの主役である牛乳。そのクリーミーさと自然な甘みを最大限に引き出すには、温度管理が重要です。
・甘みを引き出す温度帯:
牛乳を60〜65℃に温めると、乳糖(ラクトース)が分解されて甘みが増します。この温度帯は、牛乳の甘さを最も感じられる絶妙なポイントです。
・加熱方法の工夫:
鍋で温める場合は弱火でゆっくりと加熱し、温度計を使用すると正確に管理できます。また、電子レンジを使う際は、10〜15秒ずつ温めて混ぜるとムラを防げます。牛乳を70℃以上に加熱すると、独特の焦げた風味が出てしまうことがあります。これは牛乳のたんぱく質が変化するためで、カフェオレの味を損なう原因になるため注意が必要です。
プロ直伝のおいしいカフェオレの作り方
自宅でもおいしいカフェオレを淹れて楽しみたいという方へ、コーヒーの淹れ方別にプロがおすすめする作り方をご紹介します。
今回のレシピで作ることで、水分をできるだけ少なく濃いコーヒーを使用することで、ミルクの濃厚な甘みとコーヒー感をバランスよく味わえるカフェオレを味わうことができます。
<ドリップコーヒーで作る場合>
●コーヒー:お湯の割合は1:5で濃いめに抽出する。●甘さの引き立つ60~70℃のミルクを使用する。
<準備するもの>
マグカップ(300ml容量)
抽出用ポット
ドリッパー
サーバー
ペーパーフィルター
計り
<分量>(1人分量)
コーヒー粉:12g
お湯:60ml
ミルク(牛乳):200ml
<作り方>
1.牛乳200mlをカップに入れて電子レンジで温める。(電子レンジ600wの場合1分20秒 500wの場合1分50秒 目安)
Point:ミルクは60~70℃が甘みを感じやすい温度帯のため、温めすぎには注意します。
2.コーヒー12gをドリッパーにセットして、20mlのお湯を注いで20~30秒間蒸らします。
3.残りの40mlを中心から円を描くようにゆっくりと注ぎ抽出します。
Point:できるだけゆっくりとお湯を注ぎます。お湯と粉が触れている時間を長く保つことで、コーヒーの成分がより多く抽出することができます。
4.コーヒーの抽出が完了したら温めたミルクにコーヒーを注ぎ、しっかりと混ぜ合わせて完成。
<インスタントコーヒーで作る場合>
●インスタントコーヒーには、「スプレードライ製法」タイプのものを選ぶ。
●甘さの引き立つ60~70℃のミルクを使用する。
<準備するもの>
カップ(180ml容量)
<分量>(1人分量)
インスタントコーヒー 2g
ミルク(牛乳) 150ml
<作り方>
1.インスタントコーヒー2g(ティースプーン1杯分)をカップに入れる。
2.牛乳200mlをカップに入れて電子レンジで温める。(電子レンジ600wの場合1分20秒 500wの場合1分50秒 目安)
Point: ミルクは60~70℃が甘みを感じやすい温度帯のため、温めすぎには注意します。
3.カップに温めたミルクを注ぎ、しっかりと溶かします。
インスタントコーヒーで美味しいカフェオレを作るには、使用するコーヒーの種類選びが重要です。インスタントコーヒーには、大きく分けて2つの製法があります。
●フリーズドライ製法:
コーヒー抽出液を凍結して粉砕する方法で、香りや味わいの豊かさが特徴です。
●スプレードライ製法:
コーヒー抽出液を高温で瞬時に乾燥させたもの。細かいパウダー状になっており、溶けやすさに優れています。
中でも、スプレードライ製法のインスタントコーヒーは溶解性が高いため、直接ミルクに溶かして使うことができます。これにより、水を使わずに濃厚でコクのあるカフェオレを作れるのが魅力です。
味わいのバリエーション広がるアレンジアイデア
コーヒーとミルクのシンプルな材料で作られるカフェオレだからこそ、アレンジを加えることで様々な味わいの「カフェオレ」を楽しむことができます。定番の味わいとともにお気に入りの「カフェオレ」を探してみませんか?
ミルクを変えて味わう
ミルクとコーヒーそれぞれ相性の良いものを組み合わせれば、カフェオレの楽しみ方はさらに広がります。例えば、一般的な牛乳といっても成分の違いによって種類は様々。
成分無調整の牛乳を選ぶと、 濃厚でクリーミーに。低脂肪乳を選ぶと、すっきり軽やかなカフェオレに仕上げることができます。
●低脂肪乳:
乳脂肪分が少なく、軽やかなテイストの牛乳には、華やかなフルーティーさのある浅炒りのエチオピアがおすすめ。フルーティーな風味はそのままにさっぱりとしたカフェオレに。
●豆乳:
コクがあって後味ものびやかな調整豆乳には、適度な苦味と香ばしい味わいのある深炒りのブラジルがおすすめ。ローストナッツのような甘く香ばしいカフェオレに。
●アーモンドミルク:
ナッツの香ばしさがあり、独特の風味が楽しめるアーモンドミルクには、中炒りのブラジルがおすすめ。優しいナッツの甘い香りが楽しめる風味豊かなカフェオレに。
甘さの調節にシロップを加えて
自然な甘みを楽しみたい方におすすめのアレンジ。砂糖よりも風味豊かで、カフェオレの味を引き立てます。
●はちみつ:
柔らかい甘さとほのかな花の香りがプラスされます。
●黒蜜:
コクのある深い甘みで、和のテイストを楽しみたい時にぴったり。
●メープルシロップ:
ほんのりとした木の香りが特徴。カフェオレをリッチな味わいにします。
●デーツシロップ:
濃厚な甘さと栄養価の高さが魅力。エネルギーチャージにも。
●アガベシロップ:
低GIでヘルシーな甘さ。カロリーを気にする方におすすめです。
フレーバーを追加して
フレーバーをプラスすれば、風味が一気に広がります。自宅でカフェ気分を楽しめる一杯を作ってみませんか?
●チョコレート:
カカオのコクが加わり、まるでカフェモカのようなリッチな味わいに。
●シナモン:
香り高いスパイスがアクセントに。リラックスタイムにぴったりです。
●ヘーゼルナッツ:
ナッツの香ばしさと甘みで、一味違うカフェオレを楽しめます。
●バニラ:
バニラエッセンスやバニラシロップで、上品でまろやかな風味に。
デザート風アレンジ
飲むだけでは物足りないという方にスイーツ感覚で味わいたいという時におすすめのアレンジをご紹介します。
ウィンナーコーヒー風カフェオレ
温かいカフェオレにたっぷりのホイップクリームをのせるだけ。クリームが溶けることで、リッチでデザート感たっぷりの一杯になります。仕上げにココアパウダーやシナモンを振れば、見た目も華やかに。
<ウィンナーコーヒーの作り方はこちら>
https://media.drip-pod.jp/arrange/wiener-coffee/
カフェオレで普段のコーヒータイムをもっと楽しもう
今回ご紹介した、カフェオレの基本の作り方からアレンジのバリエーションまで、多彩な楽しみ方を通して、その魅力を再発見していただけたでしょうか?シンプルな組み合わせの飲み物だからこそ、使用するコーヒーやミルクの選び方、甘みやフレーバーの工夫によって、味わいは無限に広がります。
お気に入りの材料を探しながら、自分だけの「最高のカフェオレ」を見つければ、普段のコーヒータイムは小さな贅沢なひとときになるはずです。朝の目覚めの一杯やリラックスしたい夜のひととき、さらには友人や家族とのシェアタイムに、日々の暮らしにこだわりのカフェオレを取り入れて楽しんでみてはいかがでしょうか。